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画期的な構造、木や和紙製も 進化形ペンケース9選

納富廉邦のステーショナリー進化形

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NIKKEI STYLE

仕事の変化から、たくさんの筆記具を収納できる機能的なペンケースが増えてきた(記事「立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化」参照)。その一方で、従来とは異なる仕組みを持ち、使うことに喜びを見いだすような、こだわりのペンケースも増えている。長年文具を取材し続ける納富廉邦氏が、作り手の創意工夫が感じられる新世代ペンケースを紹介する。

大切な万年筆を保護する革ケース

胸ポケットにペンをさすというスタイルには、現在、賛否両論がある。「面接ではマナー違反だ」という意見と、「一流のビジネスマンは胸にペンを」という意見が並立しているのが面白いが、長い間、ビジネスマンの胸ポケットはペンケースの代わりを務めていたことは事実だ。しかし、さすがに何本もさすのは見た目に変。つまり「胸ポケットにペンをさす」というのは、筆記具は一本あれば事足りた時代のスタイルなのだ。

その一方で、エグゼクティブなビジネスマンの間では、1本か2本挿しのペンケースが使われていた。良い万年筆を使っている人にとって、大事な万年筆を保護すると同時に、万が一のインク漏れで服を汚すことを避ける意味もあった。最近の万年筆は、飛行機に乗っても服を汚すほどのインク漏れはめったにないが、昔の万年筆はインクが漏れる事故がしばしば発生していたのだ。

以前、革小物のデザイナーが財布の形を変えてしまった事例を紹介したが(記事「見たら必ず欲しくなる 革財布のすごいイノベーション」参照)、そんな革小物のデザイナーによるイノベーション的な志向と、「万年筆を大事に持ちたい」というペンケースに対する希望が最初に交差したのが、岡本拓也氏デザイン・製作による万年筆ケース「グリマルディ」だろう。

実際に入れる万年筆を使って型を取って作るセミオーダーのペンケースは、正に万年筆のための鞘(さや)。スムーズに出し入れできるのに、ペンの表面の酸化も防ぐほどのフィット感は、高い技術とアイデアがあってこそ。高価なペンケースにも十分な需要があることを示した最初のペンケースだ(価格は税別7万5000円)。

一方で、同じ頃、土屋鞄製造所の「ロールペンケース」も静かなヒット商品として、筆記具好きの間で人気を博した。ケースをくるくると巻いてヒモで留める革のロールペンケースは、この製品から火がついて、後に定番ともいえるスタイルを築いた。複数の筆記具を、一本一本をしっかり保護しながらまとめて持ち歩けること、ひもで留めるゆったりしたムードなどが、「手書き」という行為と相性が良かったのも人気のポイントだろう。

これ以降、大人の革のペンケースが一定の人気を博すようになる。その中心になったのは、やはり革財布のイノベーションをけん引した、新しい革製品のデザイナーたちだった。

シンプルなデザインと収納性を両立

例えばm+の「rotolo」。どうしても、その構造上、イメージよりも長く太くなってしまうロールタイプのペンケースを極端にシンプルにして、見た目のスリムさに比してたくさんの筆記具が収納できる機能性を実現した。擬宝珠で革ベルトを留めるノスタルジックな構造、イタリア的なイメージの革の色などの組み合わせは、何本もの筆記具をスタイリッシュに持ち歩くのにピッタリだ。

例えばrethinkの「Lim Pens leeve」。3本の筆記具を最小限のスペースで、しかし一本ずつを確実に保護しながら持ち歩けるミニマムなデザインは、現代のペンケースの頂点の一つ。普段使う1本を閂(かんぬき)代わりにして、くるりと3本の筆記具をまとめるデザインが何より秀逸。しかも、ペンケースを開かずにそれぞれのペンを上部から出し入れできるし、ペントレイ的に使う事もできるなど、そのそぎ落とされたシンプルなデザインながら、多機能でもある名品。生産量が少なく、入手が難しいのが唯一のネックか。

「使う楽しさ」も大切な要素に

シンプル路線では、ヤマサキデザインワークスの「ペンホルダー」も素晴らしい。革を2枚、側面を縫い合わせて、片側に丸い穴を開けただけの、この上なくシンプルな形だけれど、そこに入れた筆記具の表情さえデザインに取り込んだ、ケースごとポケットに入れたくなるようなスマートさが魅力。底部分を縫い合わせないことで生まれる筆記具の出し入れのしやすさと、形崩れの無さ。このアイデアは後に、多くの革製ペンケースに踏襲されることになる。

それらに続くように、神戸派計画の「ロールペントレイ」のような、3本のペンをフレキシブルなスタイルで持ち歩ける、ユーザー本位のペンケースが登場したり、ベアハウスの「どや文具ペンケース」のような、とにかく大量の筆記具を一気に出し入れできる、大人のための大容量タイプが登場したりと、ペンケースは、筆記具を収納するモノから、筆記具とユーザーをつなぐアイテムへと変化する。

 筆記具同様、それを持ち、それを使う楽しさも製品の重要な要素となっているのだ。

木や和紙のペンケースも登場

ペンケースの進化は素材にも波及し、ストーリオの「AvanWood 万年筆ケース」のような木製の万年筆ケースも登場する。いわゆる「木製」のイメージからは逸脱する、クールでスタイリッシュな筆記具用ハードケースだ。一本用から三本用まで用意され、かばんの中などで万年筆を確実に守る木製ケースは、しかし曲げ木の技術を応用した、スリムでコンパクトな外観。金属部品を使わずに、しかし筆記具の出し入れ時にはカチッと、蓋が開閉する音がする、安心とカッコ良さを両立させたケースだ。

その一方でSIWAの「SIWA ペンケース」のような、和紙で作られた1本用のペンケースもある。昔ながらの上ファスナー型のケースなのだけれど、和紙の素材感が高級筆記具にも似合うのだ。軽く、シンプルなので普段使いの一本を持ち歩くのにも似合うし、高級筆記具を入れるのにも似合う。使う側の気分によって見え方が変わる希有なペンケースなのだ。

筆記具の選択肢が増えている現在、普段使いの筆記具を一本に絞るのも難しくなってきた。現在のペンケースの盛り上がりは、「筆記具を持つ」ことが、生活や仕事での必要性を増しつつある証拠なのだろう。

納富廉邦
 佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、カバンや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人カバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。講演、テレビやラジオの出演、製品プロデュースなども多く手がける。

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