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画期的な構造、木や和紙製も 進化形ペンケース9選 納富廉邦のステーショナリー進化形

2017/9/11

作り手の創意工夫が感じられる進化形ペンケースたち

仕事の変化から、たくさんの筆記具を収納できる機能的なペンケースが増えてきた(記事「立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化」参照)。その一方で、従来とは異なる仕組みを持ち、使うことに喜びを見いだすような、こだわりのペンケースも増えている。長年文具を取材し続ける納富廉邦氏が、作り手の創意工夫が感じられる新世代ペンケースを紹介する。

■大切な万年筆を保護する革ケース

胸ポケットにペンをさすというスタイルには、現在、賛否両論がある。「面接ではマナー違反だ」という意見と、「一流のビジネスマンは胸にペンを」という意見が並立しているのが面白いが、長い間、ビジネスマンの胸ポケットはペンケースの代わりを務めていたことは事実だ。しかし、さすがに何本もさすのは見た目に変。つまり「胸ポケットにペンをさす」というのは、筆記具は一本あれば事足りた時代のスタイルなのだ。

その一方で、エグゼクティブなビジネスマンの間では、1本か2本挿しのペンケースが使われていた。良い万年筆を使っている人にとって、大事な万年筆を保護すると同時に、万が一のインク漏れで服を汚すことを避ける意味もあった。最近の万年筆は、飛行機に乗っても服を汚すほどのインク漏れはめったにないが、昔の万年筆はインクが漏れる事故がしばしば発生していたのだ。

以前、革小物のデザイナーが財布の形を変えてしまった事例を紹介したが(記事「見たら必ず欲しくなる 革財布のすごいイノベーション」参照)、そんな革小物のデザイナーによるイノベーション的な志向と、「万年筆を大事に持ちたい」というペンケースに対する希望が最初に交差したのが、岡本拓也氏デザイン・製作による万年筆ケース「グリマルディ」だろう。

実際に入れる万年筆を使って型を取って作るセミオーダーのペンケースは、正に万年筆のための鞘(さや)。スムーズに出し入れできるのに、ペンの表面の酸化も防ぐほどのフィット感は、高い技術とアイデアがあってこそ。高価なペンケースにも十分な需要があることを示した最初のペンケースだ(価格は税別7万5000円)。

T.MBH「グリマルディff」 革小物司・岡本拓也氏が開発、製作した革製ペンケース「グリマルディff」。その最高級ラインが手彫りによるバイオリンモチーフを施した「グリマルディff」。スムーズな出し入れは一度体験すると忘れられない。75000円+税

一方で、同じ頃、土屋鞄製造所の「ロールペンケース」も静かなヒット商品として、筆記具好きの間で人気を博した。ケースをくるくると巻いてヒモで留める革のロールペンケースは、この製品から火がついて、後に定番ともいえるスタイルを築いた。複数の筆記具を、一本一本をしっかり保護しながらまとめて持ち歩けること、ひもで留めるゆったりしたムードなどが、「手書き」という行為と相性が良かったのも人気のポイントだろう。

土屋鞄製造所「ロールペンケース」 良質の革で丁寧に作られたケースを革ひもで巻いて留めるロールペンケース。「便利」や「機能」だけではない、ゆったりした気分で「筆記」を助けるペンケースの先駆け。9500円

これ以降、大人の革のペンケースが一定の人気を博すようになる。その中心になったのは、やはり革財布のイノベーションをけん引した、新しい革製品のデザイナーたちだった。

■シンプルなデザインと収納性を両立

例えばm+の「rotolo」。どうしても、その構造上、イメージよりも長く太くなってしまうロールタイプのペンケースを極端にシンプルにして、見た目のスリムさに比してたくさんの筆記具が収納できる機能性を実現した。擬宝珠で革ベルトを留めるノスタルジックな構造、イタリア的なイメージの革の色などの組み合わせは、何本もの筆記具をスタイリッシュに持ち歩くのにピッタリだ。

m+「rotolo」 ペンを入れて革で巻くのではなく、くるりと巻いた革で作ったケースの中にペンを入れる独特の構造が、見た目のスリムさに対しての大容量を実現。6800円。スエードタイプ(7000円)、タンタイプ(7000円)も(税別)

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