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高畑充希、ブルゾンなりきりに絶賛 ドコモCM2位

2017年7月度 CM好感度月間ランキング

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NIKKEI STYLE

CM総合研究所が発表する7月度の銘柄別CM好感度ランキングでNTTドコモ(以下、ドコモ)が躍進。総合で2位となった。「特ダネを追え!」シリーズの新作で高畑充希がブルゾンちえみのネタを再現したCMと、営業開始25周年を記念したMr.Children(ミスターチルドレン、以下ミスチル)とのタイアップCMの2作品が票を集めた。いずれも、演出やシカケの新しさが視聴者の心をつかんだ。

ドコモが7月度にオンエアした15作品の中で、圧倒的な票を集めたのが「みつきのほんき」篇。堤真一、綾野剛、高畑充希が特ダネ記者を演じるシリーズで、綾野の妹で週刊誌編集長役のブルゾンちえみに、堤が恋する様子が描かれたCMの続編だ。

ストライプのシャツとミニタイトスカートにハイヒール、真っ赤な口紅という、ブルゾンをまねた装いの高畑が、やはりブルゾンのネタで使われる音楽『ダーティー・ワーク』にあわせて登場。上司の堤に対して、「最近出会ったデキる女に心を奪われて、仕事がはかどらない? だめキャップ」と問いかける。あぜんとする堤に「あなたの一番そばにいるキャリアウーマンは誰ですか?」とたたみかけると、ブリリアンの2人が立ち上がる。振り向きざまに「高畑充希」と決める高畑に、綾野は「すごいのが出てきたな」ともらし、堤は「いい…」とうっとりする。

調査に答えたモニターの感想は「完コピ(完全コピー)すごい」という驚きの声が多く、「かわいい」「うまい」「かっこいい」と高畑のブルゾンへのなりきりぶりが絶賛された。

セクシーの好感要因が異例の上位

CM総合研究所の関根心太郎代表は「普通は芸人が女優のまねをするところを、逆の設定で驚かせ、しかもなりきりぶりが完璧。女優業の顔とは違う一面をCMで見せたのが視聴者には新鮮で、それをガチでやっているところが、かっこよかったり、かわいかったり、セクシーだったりと、とらえられたようです」と分析。

好感要因では、1位が出演者・キャラクター、2位がユーモラス、3位がストーリー展開、4位が音楽・サウンド、5位がセクシーの順。「セクシーがこれだけ上位にくるのは珍しく、それだけ強烈な印象を残したといえるでしょう」(関根氏)

高畑がブルゾンのネタをまねる演出について、ドコモプロモーション部の島崎大介氏は狙いをこう説明する。「新しい料金プランを告知したかったCMなので、面白くてインパクトの強いものを、と考えました。そこで、清楚(せいそ)なイメージが強い高畑さんが、ブルゾンさんのネタでキャリアウーマンの格好をして、メークも普段と違ったら、どんな化学反応が起こるだろうかと。ドコモをご利用いただいているお客さまに対して、身近なところ(ドコモ)にいい料金プランがあることを高畑さんで表現したかったということもあります」

インパクト重視の狙いは、CM好感度調査での高い支持を見ると、見事に当たったようだ。

営業開始25周年を迎えたドコモが、同じくデビュー25周年を迎えたミスチルとタイアップしたCM「25年前の夏」篇(予告編)も票を集めた。ウェブサイトで7月18日から公開された25周年ムービー「いつか、あたりまえになることを。」の予告編を、テレビCMとして7月10日からオンエアしたものだ。

25年前の夏、1992年に当時17歳だった主人公の父と母の出会いから、別れを繰り返した2人が結婚して、生まれた主人公が2017年に17歳になるまでが描かれる。BGMにはミスチルの92年のデビューシングル曲『君がいた夏』や『365日』などが使われている。

好感度は30~50代女性層からの支持が特に高い。モニターの感想は、高橋一生とミスチルの名を挙げる人が多く、「感動した」という声も多くみられた。好感要因の「説得力に共感」「企業姿勢にウソがない」では、作品別の総合1位となった。

関根代表は「シカケとして新しいのが、25周年ムービーの4分の本編をウェブで公開して、その60秒と30秒の予告編をテレビCMで流したことです。なんともぜいたくな手法ですが、それができたのも本編の完成度が非常に高いから。ミスチルの音楽にのせて、時代と家族が移り変わるさまを、映画並みのつくりで描いています。見る人が自分の25年間と重ね合わせてしまうリアリティーのある映像や音楽。そのクオリティーの高さが、ドコモの信頼性や安心感というブランドイメージにつながりました」と手法の新しさを評価する。

「時代の再現」にこだわり

ドコモのプロモーション部第二制作担当課長の小野浩司氏は、ミスチルとタイアップした理由を「歌と通信というジャンルの違いはあれど、25年間ともに人と人の絆を結んできたという共通点があると思いました。それが物語の出発点です」と語る。

撮影は、92年からの25年間を描くため、通常のCMでは考えられないほど大規模かつ長い期間をかけた。総撮影日数は11日、総撮影場所は36カ所。流行していたファッションやメークはもちろん、携帯ストラップやコンポなど細部に至るまで、当時の再現にこだわったという。

ポケベルから始まり、時代が進むにつれて進化していく携帯電話の様子も見どころ。ドコモに保管されていた端末だけでなく、スタッフの私物も持ち寄って撮影に臨んだという。

人気絶頂の高橋一生が父を演じたのをはじめ、キャスティングも視聴者の心をつかんだ。「今では考えられない、茶髪でチャラチャラした時代の高橋さんや、十数年先であろう白髪交じりの高橋さんが一度に見られるのは、ファンならずとも面白いポイントだと思います」(小野氏、以下同)。母役の黒木華は「17歳の高校生から42歳の母までを違和感なく演じられる人」という理由で選ばれ、実際、全ての年代を違和感なく演じきった。父の高校生時代を演じるのは高杉真宙。「本当に高橋さんと似ている印象で、唯一無二のキャスティングでした」。主人公である娘役の清原果耶はオーディションで選ばれた。幼少期の写真は本人のものも使用して、物語にリアリティーをもたらしている。

関根代表は「『みつきのほんき』篇も『25年前の夏』篇も、演出やシカケの新しいチャレンジが視聴者の心をつかみ、ドコモのブランドイメージアップに結びつきました。銘柄別のCM好感度ランキングではauが32カ月連続の首位で独走を続けていますが、最近はドコモの猛追が目をひきます。今後の展開から目が離せませんね」と言う。ドコモCMの勢いはしばらく続きそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

■調査対象期間:2017年6月20日~7月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2696銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある

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