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孫正義氏は支援を決めた子供たちに「若くていいね」と話しかけた

孫正義氏は支援を決めた子供たちに「若くていいね」と話しかけた

96人の異才は未来のグローバルリーダーになれるのか。2017年7月下旬、ソフトバンクグループの孫正義社長が私財を投じて設立した孫正義育英財団は、8歳から26歳までの96人に対する支援を決めた。孫氏やノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥・京都大学教授らが選んだのは、「AI(人工知能)が人類の知的能力を超える『シンギュラリティ』の時代が到来するときに、人類を代表する可能性のあるリーダー候補だ」という。この中から次世代のリーダーは育つのか。未来人材の素顔に迫った。

16歳の高校生がビットコイン事業

JR渋谷駅から徒歩で約10分。クリエーターなどが集まる複合ビル「渋谷キャスト」がある。そこに孫財団が異才のために用意した快適な一室があった。3Dプリンターや様々な端末が置かれ、コーヒーなども飲み放題だ。ここで96人のうちの4人と会った。

「僕は今、東京の大手町でビットコインの会社を経営しています。憧れているのは英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンですね。彼のように様々な分野の会社を経営し、世界一の会社をつくります。僕は孫さんを超えますよ」。こう話すのは山内奏人さん(16)。東京学芸大学付属国際中等教育学校に通う高校生だ。

山内奏人さん(右)と片山晴菜さん

山内奏人さん(右)と片山晴菜さん

山内さんは、小学6年生のときに「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2012(15歳以下の部)」で最優秀賞を受賞、天才プログラマーとして有名になった。中学時代にスタートアップ企業にエンジニアとして携わり、「Walt(ウォルト)」という会社を起業。「決済や送金など個人のお金に関するビットコイン事業を展開しています。40代ぐらいの方を含め、10人ぐらいでやっています。学校から大手町まで電車で1本ですから。授業とも両立していますね」と話す。

孫氏は、高校1年生のときに米国に旅だち、19歳で起業の誓いを立てた。山内さんは、「大ぼら吹き」と呼ばれた孫氏を上回るスピードで起業を展開しているわけだ。「先日、英国の大学に招かれスピーチしてきました」という山内さん。帰国子女ではないが、英語もペラペラ。すでにグローバルな次世代リーダーとしての素質は十分のようだが、孫氏にどこまで迫り、追い抜けるのか。

14歳でシンガポール留学へ

中学生の中馬慎之祐さん

中学生の中馬慎之祐さん

「人間の弱みは強みに変えられるからね」。7月28日の最終選考会で、孫氏は1人の少年に話しかけた。都内の成蹊中学に通う中馬慎之祐さん(14)だ。卵アレルギーに悩んでおり、食物アレルギーに関するアプリ「allergy」を開発。選考会では、最初、選考委員に話しかけられず、「落ちたな」と感じた。後ろの席に戻ろうとしたとき、孫氏にこう声をかけられた。

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