サッカーロボもAIで急進化 隙間見つけてスルーパス目標は50年にW杯王者打倒、でも2本足の走行はまだまだ

2050年にサッカーW杯王者に勝てるロボットチームを作るのが目標だ(ロボカップの試合風景)
2050年にサッカーW杯王者に勝てるロボットチームを作るのが目標だ(ロボカップの試合風景)

2050年、ロボットがサッカーでワールドカップ(W杯)王者に勝利する――。こんな壮大な目標を掲げた世界大会が始まり、17年で20年を迎えた。その間、ロボットのプレーや戦術は着実に進化してきた。囲碁や将棋で人工知能(AI)がトッププロを上回る実力を身につけたのと同様に、「身体」を備えたAIがサッカーで人を超える日は来るのか。

小学校低学年よりプレー内容高度

7月、名古屋市で開かれた「ロボカップ」には42カ国・地域から3000人近い研究者や学生が集まった。1997年に始まった世界大会で、ロボット競技の祭典だ。

メーンとなるサッカーは小型、中型、人型など5つのカテゴリーに大別される。進歩が著しいのが車輪付きの中型だ。扱うボールは人と同じで、バレーボールのコートほどの大きさのピッチを車輪で縦横無尽に30分間、走り回る。

人は操作せず、1チーム5台のロボットが自律走行する。味方同士が情報をやり取りしながら、搭載したAIの判断に基づきプレーしたり、作戦を組み立てたりする。

今回、優勝したのは中国チーム。準優勝はオランダだった。こうした強豪チームの攻撃はロボットの自律動作とは思えないほど優れていた。

例えば、有効なスペースを見つけて10メートル超の距離でも正確なパスを通す。浮き球を使ったシュートでゴール隅を狙う。守備の際もスキを作るまいと素早く敵のパスコースを切る。ピンチには2~3台がシュートのコースをふさぎ、ボールを枠に飛ばさせない。

ロボカップ日本委員会の武村泰範・西日本工業大学准教授は「17年から高精度なスルーパスもできるようになった」と話す。オランダのアイントホーフェン工科大学は空いたスペースに走り込む味方の動きを予測し、守備の間を切り裂く見事なパスを見せた。