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World Food Watch

え、丸ごと揚げてフライに? 驚きの南米巻きずし文化

2017/8/31

「セニョールの奥さんは日本人なの?」

「そうだよ」

「じゃ、マキつくれるの?」

2014年に南米・ペルーに駐在になった当初、夫(日本人)はオフィスのペルー人にこんなふうによく聞かれたという。「セニョール」はスペイン語で男性の敬称。「マキ」とは「巻きずし」のこと。どうやら「あなたの奥さんが日本人なら巻きずし、作れるんでしょ。いいなぁ! 家でいつも巻きずし食べられて!」ということらしい。

「すし」はもはや日本のものだけでなく世界で通じる共通語、世界で愛されるフィンガーフードであることは知っていたが、ペルーも例外ではない模様。そして「握りずし」よりも「巻きずし」のほうが愛されていることが分かった。

中南米では「握りずし」よりも「巻きずし」のほうが人気

街ではマキのファストフード店をよく見かけるし、習い事でもしようかと訪れたカルチャースクールには「マキ」のレッスンのコースがあった。「日本料理」のコースの一部でも、「クッキング」コースの一部でもなく、独立した「マキ」のコースなのである。

現地で教えたら喜ばれるものを身につけようと渡秘(「秘」はペルーの意)前にけっこうな難関試験を突破して日本語教師の資格をとった私としては、「えっ、現地の人が教えてもらいたいものってマキなわけ?」と拍子抜けしたのを覚えている。

それからエルサルバドルに引っ越したり、それぞれの近隣国を旅したり、全部ではないが中米・南米の国を訪れて現地のすしを垣間見てきた。日本同様のメニューもあるが、なかには「えっ、それ、すしじゃないでしょ」というものも。

すしだと思って食べると日本人としては抵抗したくなるが、単純に「うまいか、まずいか」と聞かれたら意外とおいしかったりもする。今回はそんな中米・南米のすしをご紹介しよう。

バナナずしはマヨネーズのソースとともに

我々日本人がもっとも驚愕するすしはなんといっても「フルーツ入りすし」ではなかろうか。こちらはエルサルバドルで食べた「バナナずし」。クリームチーズとえびフライ、アボカドを酢飯で巻いた上にバナナが乗っている。

バナナといっても日本人が想像するのとちょっと違う。中米・南米では調理用バナナというものがあり、焼いたり蒸したりして主食がわりに食べる。味は白インゲン豆とかサツマイモに近い(と私には感じる)。サツマイモの炊き込みご飯があるくらいだから、ご飯との相性は悪くない。

調理用バナナの乗ったすしは、いつもよりほんのり甘みが加わった酢飯というだけでそれほど違和感ナシ。目隠ししてバナナと言われずに食べれば(そこまでして食べる必要もないが)、きっとおいしいと思ってもらえる味だ。

マンゴーピュレ入りの甘酸っぱいソースで

バナナで驚いてはいけない、「マンゴーずし」だってある。同じくエルサルバドルで発見(?)したこの一品はまぐろとアボカドとゆでた「カニ」の脚を酢飯で巻いたうえに薄くスライスしたマンゴーを乗せたもの。

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