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ベールを脱いだ「ロボアド」 草創期の実力を探る QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2017/8/30

 いずれにしても、サービスを開始して1年たったばかりの会社が多い「草創期」といえる。そうした状況ではっきりとした評価を下すのは時期尚早だろう。パフォーマンスは長い目で評価するのが肝心だ。

■1000円や2000円で投資が可能

 7社のロボアドについて最低投資額や年間最大費用など、主な特徴についても聞き取り調査した(表B)。投信一任型での最低投資額は「MSV LIFE」の1000円だ。同社の場合、投資家はリスク許容度に沿って、専用バランス型ファンド8本のうちどれかを購入する。

 アドバイス型で最低投資金額が最小なのは投信工房の2000円。投信1本を100円で購入できるので、モデルポートフォリオで指定している9本をそろえるには合計2000円あれば済むという。

 投資家が運用をお任せするサービスとしては、ファンドラップをはじめ大手金融機関が手掛ける対面型ラップ口座がある。残高は6兆円を超すが、パフォーマンスの詳細は公表されていない。最低投資金額は低いところでも300万~500万円、手数料など実質的な費用も年1.5~3%程度はかかるとされるが、こうした中で、ロボアド各社の投資一任型の手数料は最大でも1%内外だ。しかも最低投資金額は1000円や2000円。運用実績も開示し始めており、多くの投資家にロボアドの魅力をアピールする。

 はじめての投資に踏み出したいが、どんな投信を選んでいいかわからない人や自己流の国際分散投資に不安を感じるような人、それに少額から始めたい人はロボアドのサービスを活用する価値はあるだろう。

■手数料は将来的に下げ余地か

 ベンチャー系のロボアドにお金を投じて、もし会社自体が経営不振になったらどうなるか、という心配は無用だ。各社は顧客の資産と会社の経営資産との分別管理を徹底している。

 ほとんどの会社は無料体験サイトが充実している。投資を検討する際は、各社のサービス内容、費用、入金の利便性など独自の機能もチェックしつつ、相性の良さそうなサービスを見つければいい。

 ただし、国際分散投資をしたとしても、リスク許容度を大きくするほど、長期的な高リターンを期待できる半面、裏目に出たときの元本割れの度合いも大きくなる。元本割れをできるだけ回避したいのなら、リスクの低いコースの選択から始め、着実な資産の積み上げを狙うのが一つの考え方だ。

 ロボアドの普及には課題もある。運用成績の情報開示は大きな前進だが、費用は米国に比べるとまだ高いとの見方もある、例えば、米国の大手ロボアド(投資一任型)の実質的費用は年0.5%程度かそれ以下とされ、低コスト化が進んでいる。手数料の引き下げには規模のメリットが不可欠だ。今回の調査で判明した運用資産は多い会社でも200億円程度にとどまっており、今後はサービスを競い合いながら運用資産を拡大し、手数料の下げにつなげられるかが焦点となる。

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