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商店街でリアル「人生ゲーム」 地域おこし各地で続々

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家庭用ボードゲームの定番商品「人生ゲーム」の遊び方を、リアルな商店街を舞台に展開し、地域活性化につなげる試みが登場している。仕掛人は島根県出雲市役所の一職員。出雲地域で既に7回開催し、家族連れを中心に参加者は徐々に増え、3800人を超えた回もある。

さらに、この試みは出雲から全国各地に広がり始めている。山形県新庄市、福井県小浜市の商店街、直近では2017年3月に千葉県船橋市で開催されている。

地域活性化とゲームをからめた動きとしては、位置情報を利用したコロプラやイングレス、現実と仮想空間を組み合わせたポケモンGOなどが知られている。今回取り上げるのは、こうしたデジタルやバーチャルといったスマホをベースにしたゲームではなく、アナログなボードゲームの定番「人生ゲーム」を地域おこしに取り入れた事例だ。

タカラトミーが発売する「人生ゲーム」は1968年に発売されたロングセラー商品で、幅広い世代に高い知名度を持っている。

リアルな商店街を舞台にした「人生ゲーム」を始めたのは、島根県出雲市にある平田本町商店街。現在は合併して出雲になった旧平田市出身の一市役所職員の思いつきからだった。飲み会の最中に、商店街を空から見たイメージと人生ゲームのマスが並んだ絵が似ていると感じ「ここ(商店街)でリアル人生ゲームをやったらおもしろいイベントになる」と考えた。

出雲市役所勤務でNPO法人出雲まちあそび研究所の副理事長をつとめる田中寛氏は言う。「20代から50代の幅広い年代層の男女で、子供の頃何をして遊んだかという話題になった。いろいろ出たが、年齢、男女問わずほとんどが『人生ゲーム』で遊んだ経験があった」

商店街を舞台にした「リアル人生ゲーム」のルールはこうだ。参加者はゲーム内で通用する仮想通貨(縁)を持って商店街を回り、それぞれの店でさまざまな体験やイベントを積み重ねる。どの店に行くかは参加者がルールレットを回して決める。最終的にゴール地点でどれだけの通貨を持っているかで賞品をもらえたり商品券と交換したりできる。

それぞれの店が用意したイベントには、例えば「和洋菓子 アカオ:小浜市のソウルフード「カレー焼き」を子どもたちに差し入れ○○縁払う」(福井県小浜市版)や「森金物店:銅の山菜鍋で作った郷土料理をおすそわけ。お礼に○○縁もらう」(山形県新庄市版)など、それぞれの商店街にある実際の店舗が登場する。こうして、ルーレットを回しては実際の商店を巡り、最終的な「縁」の増減を競う。

バーチャルとは違うリアルならではのメリット

スマホの画面をひたすら見ながら地域を回るゲームと違い、参加者は実際に商店街にある商店に入ってイベントを経験する。このときにお店の人と交流することで、地域に「こんな店があったんだ」と再認識してもらう。これまでのデジタル中心のゲームでは街に来る人は増えてもお店に来る人は増えないという問題があった。

また、商店街を舞台にしたにぎわいを創出するイベントでは、本来ならばイベントによってメリットを享受しないといけない立場にある商店の人が、店を閉めて主催者側のスタッフに回ってしまうケースが珍しくない。「リアル人生ゲームならば、街全体がイベント会場となり、商店主が参加者と接し、商売できる環境のイベントになる」(田中氏)と考えた。

出雲から各地へ広がる

このリアル人生ゲームは島根県出雲市の平田地域(旧平田市)の平田本町商店街で2013年7月に第一回が実施された。参加チームは123で、参加人数は406人だった。同年10月に第2回、翌年からは毎年10月に開かれ、平田本町商店街での第5回となった2016年10月には参加者が628チーム、2503人にまで増えた。また、出雲大社の表参道である神門通り商店街では縁結びをからめて2015年に2回開催し、それぞれ3719名と3852名が参加した。

このイベントがきっかけになり、出雲市が発売元となって人生ゲームの発売元のタカラトミーが製造する「出雲縁結び人生ゲーム」が商品化された。これには結婚相談所業務を手がけるツヴァイも協力している。

その後、山形県新庄市の南本町商店街を舞台に2016年の1月と9月に、また福井県小浜市のはまかぜ通り商店街を舞台に2016年10月に「リアル人生ゲーム」が開催された。2017年3月には千葉県船橋市の芝山団地商店街で実施されている。

一過性に終わらせない工夫をこらす

出雲大社の参道で実施した回を除けば、基本的に参加者のターゲットは地元在住の親子連れだ。親の世代はまだ元気だった商店街を利用した経験があるとしても、子ども世代にはなかなか縁のない商店には足を踏み入れるきっかけが無い。このゲームを通じて実店舗で店員さんと疑似通貨をやりとりすることで、リアルにお店の人とふれあう機会を創出することが狙いだ。

ルーレットの目に従って思いも寄らないお店を訪れる偶然が新しい人と店、街と人の出逢いを生み出していく。商店街を舞台にした「リアル人生ゲーム」の面白さは、スマホの狭い画面の中で提供される街や地域との関わりとはまた一段違った深さで新しい地域愛や誇りを育んでいくことだろう。

渡辺和博
 日経BP総研マーケティング戦略研究所上席研究員。86年日本経済新聞社入社。IT分野、経営分野、コンシューマ分野の専門誌編集部を経て現職。全国の商工会議所等で地域振興や特産品開発の講演やコンサルを実施。消費者起点をテーマにヒット商品育成を支援。
マーケティング戦略研究所

日経BP総研マーケティング戦略研究所(http://bpmsi.nikkeibp.co.jp)では、雑誌『日経トレンディ』『日経ウーマン』『日経ヘルス』、オンラインメディア『日経トレンディネット』『日経ウーマンオンライン』を持つ日経BP社が、生活情報関連分野の取材執筆活動から得た知見を基に、企業や自治体の事業活動をサポート。コンサルティングや受託調査、セミナーの開催、ウェブや紙媒体の発行などを手掛けている。

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