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人生100年時代 最大課題「老後35年」への備え方 人生100年時代をマネーハック(4)

2017/8/28

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 人生100年時代のマネープランについて、未来予想図を語ってきた今月のマネーハック、最後のテーマは「老後」です。

 「老後」の長期化が進んでいます。現在では約95%の人が65歳までほぼ元気です。男性の半数は84歳まで、女性の半数は90歳まで生きる時代に到達しました。「長すぎる老後」にどう備え、どう生きていくかが人生100年時代の最も大きな課題といえるでしょう。

■35年の老後はとても長い

 人生100年時代は楽しいことばかりではありません。とても長い老後が最後に待っているからです。仮に現在と同じ引退年齢であったとすれば65歳から100歳まで35年の老後があることになります。

 歴史人口学者の鬼頭宏先生(静岡県立大学学長)の著書「人口から読む日本の歴史」によれば、子が老親を扶養する期間は江戸期に約2.6年、大正期に約5.0年、昭和40年(1965年)代に12.4年と延び続けました。しかし、30年を超えるような老後は歴史的にみても例がない超長期です。

 マネープランとして考えた場合も、90歳まで生きる25年の老後と、100歳まで生きる35年の老後とではまったく意味合いが異なります。単純に計算しても必要予算が40%多くなるからです。

 現在でも一般に「老後に備えるには3000万円は欲しい」といわれます。その準備はなかなか難しいわけですが、予算が4割多くなるということは「実は4200万円必要でした」ということです。これはなかなか大変です。つまり、老後が長いということは自由な時間が増えるだけではなく、「老後に必要なお金の準備が大変になる」ことでもあるわけです。

■死ぬリスクより生きるリスク

 私たちは若い頃は「死ぬリスク」への対策に心を配ります。自分にもしものことがあっても子が成人するまで苦労しないように、と高額の生命保険にも加入してきました。しかし、現実的には65歳未満での死亡率は約5%で、大多数の95%は長い老後を暮らすことになります。

 これからの人生100年時代で重要性を増すのは、長く「生きるリスク」にどう備えるか、ということになります。しかも、20年の老後か30年の老後か、場合によっては40年の老後かは65歳の定年時には分からないわけですから、このリスクは変動の大きいものといえます。

 実は、公的年金は「長生きリスク」に備えるには極めて優秀な制度です。なぜなら終身給付を保障しており、どれほど長生きしても給付を継続して受けられるからです。

 現金をいくらためても「30年分は用意しておいたが、実際には40年長生きした」ということが起こりえますが、公的年金については長生きするほど、支払った保険料より多く年金をもらうことになります(損得論を気にする人は長生きするに限ります)。それは不公平ではありません。国が行う社会保障制度だから当然のことです。

 しかし、15年の老後ではなく35年の老後を支え続けるためには公的年金は給付水準を引き下げるしかありません。つまり、老後の基礎的支出はなんとかやりくりできても、老後の余裕や豊かさ、ゆとりについては自分で確保することを心がける必要があります。

■75歳現役の時代にシフトへ

 長く「生きるリスク」に備える方法は2つです。一つは働く時間を長くすることです。できるだけ長く働くことは、収入がなく、財産を取り崩しながら暮らしていく期間を短くすることにもつながります。

 現役時代を43年(22歳から65歳)、老後を35年(65歳から100歳)とするか、現役時代を53年(22歳から75歳)、老後を25年とするかで「お金をためる期間:お金を取り崩す時間」のバランスは大きく変わってきます。

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