「監査法人の変更」にご用心 破綻企業の通る道危ない会社の見分け方3カ条(下)

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企業不祥事の中でも上場廃止に直結するのが粉飾決算だ。発覚は即、大幅な売り要因になる。個人投資家が外部からそれを見抜くのは至難と言っていいが、投資リスクを軽減する手段はある。金融庁が業務改善命令を出しているような、中小監査法人が担当している企業を避けることだ。

「一般論として、中小監査法人の監査は大手に比べて甘く、経営危機の企業の駆け込み寺になりやすい」(帝国データバンク情報部)という。経営リスクの高い企業に十分な監査をしないから業務改善命令が出るともいえる。

そう考えると、大手から中小に監査法人が代わる事例は要注意だ。監査法人と企業の意見が対立した結果、より監査が通りやすい監査法人を選んでいることが考えられるためだ。業績悪化に伴い、監査報酬がより安い中小監査法人を選ばざるを得なくなったという事情も考えられる。

監査法人の変更を繰り返す企業にも注意が必要だ。2015年に粉飾決算で上場廃止になった石山Gateway Holdingsは、上場廃止までの5年間で2回監査法人を変更している。大手監査法人だからといって安心できるわけではないが、すぐに中小監査法人を交代させるような企業は、概してリスクが大きいと言えるだろう。

投資家の監査法人に対する目は厳しい。過去に粉飾決算に関わった中小監査法人を使っているという理由で、空売り推奨リポートを出されたSMCのような事例もある。リスクを避けるには、監査法人を見るのも一手だろう。

(日経マネー 川路洋助)

[日経マネー2017年10月号の記事を再構成]

日経マネー 2017年12月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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