甘酒、果実酢も簡単 ヘルシードリンクを作る家電5選
夏の疲れが出てくる9月。食欲が減退しているという人も多いのではないだろうか。しかし、そんなときこそしっかり栄養を取らないと体調も戻らない。そこで今回は、食欲がなくてもグッと飲める、栄養たっぷりのドリンクが作れる調理家電を紹介する。
葉野菜もスッキリ/シャープ「ヘルシオ グリーンプレッソ」
野菜や果物の栄養がしっかり取れるスロージューサーは、5、6年前に登場し、今やすっかり定着した感がある。
スロージューサーの特徴は、石臼式スクリューを1分間に数十回とゆっくり回転させながら、食材を搾っていく点。金属刃を1分間に1万~2万回転させて食材を粉砕する高速ジューサーに比べると空気が混ざりにくく、抗酸化作用のある栄養成分のたっぷり残ったジュースを作れる。シャープによると、高速ジューサーと比べ小松菜の葉酸が約17%、りんごのポリフェノールが約32%多く残るという(「EJ-GP1」の場合)。
またスロージューサーは水を加えず、野菜や果物の水分だけで作るため、栄養がより凝縮したジュースになる。搾りカスと汁が分離されるため、繊維が口に残らず、ゴクゴク飲みやすいのも人気の理由だろう。その一方で、葉野菜など水分の少ない食材をジュースにするのは難しいという弱点がある。
シャープのスロージューサー「ヘルシオ グリーンプレッソ EJ-GP1」は、圧力を工夫することで、葉野菜も適切な圧力で搾り出すことを可能にした。これを使えば、葉野菜を中心とした栄養たっぷりの青汁も作れる。
アタッチメントを付け替えることで凍った食材を使うことも可能。果物を凍らせてフルーツシャーベットにしたり、野菜と果物を組み合わせるなど、ひんやりデザートも楽しめる。
すっきり置けて価格も手ごろ/シロカ「スロージューサー」
手軽にスロージュースを作りたいという人には、シロカの「sirocaスロージューサー SSJ-201」がおすすめ。スマートかつシンプルなデザインで、キッチンに出しっぱなしにしやすいのも特徴だ。その日の体調に合わせて選べる50種類のレシピが掲載されたレシピブックが付属している。
ほとんどの野菜、果物に使えるが、シャープの「グリーンプレッソ」と違う点は、繊維が多い葉野菜の搾りかすが詰まりやすい点。あらかじめ1センチくらいの長さに切り、少量ずつゆっくり入れることで、詰まりにくくなる。
氷や凍った食材、硬い食材にも使えないが、設置しやすく価格が手ごろなので、初心者にはぴったりの1台だ。
自宅でアーモンドミルクも/ブラウン「パワーブレンド コンパクト3」
スロージューサーは飲みやすく仕上がる一方、使える食材が主に野菜、果物と限定される。その点、刃で粉砕するブレンダーを使うと、野菜や果物以外の硬い食材が入ったスムージーが作れる。スロージューサーとは違って搾りカスが出ないため、繊維を含めた食材を無駄なく摂取できるのもポイント。特に刃の回転スピードが速いタイプは、短時間で細かく粉砕するので、口当たりがよくなめらかに仕上げられる。
ブラウンの「パワーブレンドコンパクト3 JM3018」は、人気ブレンダー「パワーブレンド3JB3060」を日本市場向けに改良したもの。
コンパクトながら、毎分2万2100回というパワフルな回転数を実現している。性能は従来品とほぼ同じで、氷はもちろん、付属のミルを使えば乾物やスパイス、ハーブを均一に砕くことも可能。硬いナッツも粉砕できるため、低カロリーでビタミンEが豊富な「アーモンドミルク」も自宅で作れる。無駄のないシンプルなデザインも魅力だ。
果実酢で疲労回復/ツインバード「フルーツビネガーメーカー」
料理にさっぱりした酸味を加え食欲を増進させてくれるだけでなく、疲労回復をはじめ様々な健康効果が注目されている酢。毎日摂取するといいといわれるが、「酸味が苦手」という人もいるだろう。そんな人におすすめなのが、果実酢として飲む方法だ。
果実酢は、フルーツと氷砂糖を酢に漬けこむだけで作れるが、完成まで1~3週間と日数がかかるのがネック。ツインバードの「フルーツビネガーメーカー EH-DF86G」は、材料を入れたボトルを50℃にキープすることで浸透を促進し、24時間で完成する。
出来上がった果実酢は、水や炭酸で割れば、酸味が苦手な子どもでも飲みやすくなる。また酢の代わりにリキュールを使えば、梅酒や果実酒も24時間で完成する。野菜のピクルスなども作れるので、お酢を日常生活に取り入れるのに便利な調理家電だ。
飲む点滴、甘酒を簡単に/アイリスオーヤマ「ヨーグルトメーカープレミアム」
ブドウ糖、ビタミンB1、B2、B6、天然の必須アミノ酸を多く含み、疲労回復効果があるとされる甘酒。1969年より甘酒を販売する森永製菓のホームページによると、江戸時代には厳しい暑さを乗り切る「夏バテ対策」の飲み物として親しまれていたという。近年、その栄養価の高さから「飲む点滴」として注目を集めている。だが、市販品の中には、糖分などの成分が添加されているものもあるため、こだわるなら自ら選んだ食材で手作りするのがおすすめだ。
甘酒は発酵食品のため、ヨーグルトメーカーで作れるものも多い。中でも人気の製品は、アイリスオーヤマの「ヨーグルトメーカー プレミアム IYM-012」。温度は25℃から65℃まで1℃刻み、時間は1時間から48時間まで1時間刻みで設定できるため、ヨーグルトはもちろん、甘酒や塩麹(こうじ)、納豆など、様々な発酵食品が作れる。
ちなみに甘酒は、水、ご飯、米麹を入れた容器を60℃にキープし、9時間発酵させることで完成するが、甘味が苦手という人は発酵時間を短めにするといい。
(家電ライター 田中真紀子)
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