カレーに含まれるスパイスは、夏バテの原因となる自律神経の乱れや代謝の低下などに効果がありますが、スパイスだけで不足する栄養素を補うことは難しいからです。

夏バテの原因の一つにエネルギー不足があります。ご存じのように、エネルギーは、主にご飯やパンなど主食の糖質から作られます。この糖質がエネルギーに変わるときに必要とされるのがビタミンB1。管理栄養士の牧野直子さんは、「ビタミンB1は水溶性で、体内に蓄積しておけないので、汗をかく夏は不足しがちです」と話します。

「ビタミンB1を強化したカレーなら、大豆とひき肉のキーマカレーなどがいいでしょう」(牧野さん)。ビタミンB1が豊富な食材といえば、肉類なら豚肉、魚ならカツオや紅鮭、そのほか大豆などが挙げられます。主食なら玄米や胚芽米、全粒粉のパンなどにも多く含まれています。

ビタミンB1は、にんにく、たまねぎ、ニラなどの香り成分であるアリシンと結合すると、水に溶けにくくなり、長時間にわたる効果が期待できます。ビタミンB1を効果的に摂取するためには、にんにくや玉ねぎを一緒にとるのがお勧めです。

夏の疲れに効くカレー、さらなるパワーアップに必要な具材やつけあわせは? (c)jreika -123rf

夏に積極的にとりたい栄養素の一つにビタミンCがあります。この成分も汗とともに失われてしまうので夏は不足しがち。「ビタミンCは、ストレスを感じると消耗されます。強い日差しや室内外の温度差も、体にダメージを与えるストレスとなります。また、紫外線によってできるシミやソバカスの改善にもビタミンCが必要です」と牧野さん。ビタミンCの抗酸化作用は免疫力向上にもつながるそうです。暑い時期に旬を迎えるピーマンやししとう、ゴーヤなどといった夏野菜にはビタミンCが豊富に含まれています。

疲労回復には酢酸・クエン酸、ミネラル補給には生野菜や果物

カレーのつけ合わせに、野菜のピクルスなど「酸味がある」ものもお勧めです。「酸味は、酢酸やクエン酸によるもの。これらの成分には、疲労物質と呼ばれる乳酸が体にたまらないように取り除いたりする働きがあります」(牧野さん)。酢酸やクエン酸は胃腸の働きを活発にするので、食欲不振の解消にもつながるそうです。酸っぱいものを食べたり、匂いを嗅いだりすると出てくる唾液も、消化を助ける働きがあります。

また、夏バテの原因の一つに、カリウム不足があります。体がだるい、力が入らないというのは、カリウム不足で起こる不調です。夏場は汗とともにカリウムが排出されやすい。さらに、カリウムが足りないと足がつることも。足がつるのは、冷房で冷えたせいだけではないのです。

牧野さんによると、カリウムを摂取するには、生野菜を食べるとよいそうです。野菜サラダをサイドメニューにするといいでしょう。果物にもカリウムは多く含まれているので、デザートで食べるならそれでもOKです。

牧野さんは、カレーを飽きずに食べるためには、そうめんや冷や麦、うどんなどに合わせて食べるのもいいと話します。「めんつゆにカレーのスパイスを入れるだけでも、効果はあります」(牧野さん)。毎回具材が同じだと飽きるので、具材にも変化をつけるといいでしょう。

カレーを日々の食生活にうまく取り入れて、暑い夏を乗り切りましょう!

[日経Gooday 2017年8月14日付記事を再構成]

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