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桐谷さんの株主優待入門

次の狙い目はこれだ 17年前半の新設株主優待

日経マネー

2017/9/6

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日経マネー

 株主優待を実施している上場企業は、現在1300以上。2017年も、7月までに60社強が新たに優待制度の導入を発表した。そこで、お薦めの新設優待を桐谷さんに教えてもらった。

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 こんにちは、桐谷です。昨今の株主優待ブームに乗り、今年も多くの企業が優待制度を新たに導入しています。2017年1月から7月までに優待新設を発表した銘柄は60社強。そのうち約半数は、QUOカードの優待です。ここ数年、消費者向けの自社製品を持たない企業が、QUOカード優待を始めるケースが目立ちますね。

桐谷広人(きりたに・ひろと) 67歳。元プロ棋士(七段)。1984年の失恋を機に株式投資を始める。現在800以上の優待銘柄を持ち、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒やされる人柄も人気の理由

 ただ、17年前半の新設優待で私が実際に買ったのは10銘柄もありません。優待+配当の総合利回りが4%という基準を満たす銘柄があまりなかったためです。株価が全体的に高くなり、優待内容もいまひとつ魅力に欠けるものが多い。「優待ブームだから、うちも取りあえず何かやっておこう」と始める企業が増えたのかもしれませんね。

 今回は、そんな中でも買い候補となる銘柄を見ていきましょう。

 QUOカード優待で、総合利回りが4%弱と比較的高いのがフリュー(東1・6238)と城南進学研究所(JQ・4720)。今の相場状況とQUOカードの使い勝手の良さを考えれば、合格ラインといってもいいですね。中本パックス(東2・7811)や研創(JQ・7939)、ジュンテンドー(東2・9835)もQUOカード優待を新設していて、総合利回りは3%台半ば。株価が押したところを狙いたいです。

注:2017年8月4日時点。同内容の優待が年2回ある場合、1回分の内容を表記

■余計な買い増しがラッキーに

 単純な利回り面では、シー・ヴイ・エス・ベイエリア(東1・2687)が総合利回り10%近くと、新設銘柄の中で頭一つ抜けています。ただ、優待の宿泊割引券を使えるユニット型ホテル(いわゆるカプセルホテル)は都内にしかなく、1泊につき1枚までという利用制限があります。優待を十分に活用できる人は限られますが、地方からの出張や旅行で利用機会がある人には魅力的でしょう。

 愛知電機(名1・6623)の優待は選べるギフト。2月に新設の発表があり、3月末の権利落ち後に値下がりしたところが買いチャンスだったのですが、私は残念ながらそれを見逃し、買いそびれちゃいました。最近は優待銘柄の数があまりに多くてチェックし切れず、また講演などの仕事も忙しくて、買う機会があったことに後で気付くケースが結構あります。大変悔しいのですが、それでも追っかけ買いはせずに、次のチャンスを待つのが大事ですね。

 夢展望(東マ・3185)やマルコ(東2・9980)などRIZAPグループ(札ア・2928)子会社の優待新設・拡充も17年前半の大きな話題。優待利回りの高さが特徴です。ただ配当がゼロか、あってもわずかな銘柄が多く、優待人気で株価が実力以上に押し上げられている感もあり、買うタイミングには注意が要りそうです。

 マルコが3月に優待新設を発表した際、私は既に1200株持っていて、2000株ならRIZAP関連の割引券1万円分がもらえる(当時)ということで800株買い増しました。ところが、別の証券口座にもう500株あったことに気付き、「余計に買っちゃった」と思っていたところ、5月に優待拡充がさらに発表されて株価が大きく上昇。これはラッキーでした。

 8月に上場した大江戸温泉リート投資法人(東・3472)と、3月に再上場したスシローグローバルホールディングス(東1・3563)は共に株価が公募価格を下回って推移しており、優待拡充などによるテコ入れがそのうちあるのではと期待しています。

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【今月の桐谷コラム】 札幌で初めての優待を使う

 先日、講演で札幌に行く機会があり、SDエンターテイメント(JQ・4650)の優待でもらった施設利用券を初めて使いました。優待のカタログギフトで、関連施設の利用券4枚が選べるのです。自宅近くには対象施設がないのですが、札幌の映画館やボウリング場などで使えるのを知っていたので、事前に選んで手に入れておきました。

 札幌では、まず券1枚を使って映画「ハクソー・リッジ」を鑑賞(会食でビールを飲んだ後だったので、半分寝ちゃいましたが)。その後、もう1枚でボウリングを3ゲーム分投げました。ボウリング場では若者に声を掛けられ、写真をたくさん撮りました。残る券2枚はその後日、福岡・小倉に講演に行った際にフィットネスジムで使うつもりだったのですが、施設が休みだったので知人にプレゼントしました。

■9月の権利確定銘柄

 では最後に、株主優待ブログ「毎日優待三昧」が人気の個人投資家rika氏が厳選した「2017年9月に入手できるお得銘柄」を紹介しよう。2017年9月中に割当基準日を迎える銘柄だ(なお、2017年9月末が割当基準日の場合、優待を得るための最終売買日は、9月26日になる)。銘柄選択の際の参考にしてほしい。

注:データは2017年8月4日時点。同内容の優待が年2回ある場合、1回分の内容を表記。利回りの――は算出不能を示す

(日経マネー 小谷真幸)

[日経マネー2017年10月号の記事を再構成]

日経マネー 2017年10月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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