30代後半から「大企業に転職できる」5つのパターンエグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

そうした場合、当該業務の経験が豊富なミドル層の人材を他社から招くことがあります。キーパーソンが定年退職する前に、早期にその人のノウハウを継承し、いずれ部門責任者のポジションを担うことが期待されます。

(3) 同世代の既存社員に刺激を与えたい

業歴が長い大手企業では、ビジネスも組織運営も知見・ノウハウが確立されています。しかし、それが「当たり前」になってしまい、その常識や固定観念をなかなか打ち破れず、硬直化しているケースがあります。

ビジネス環境が急速に変化している昨今、「変革」を起こさなければ生き残れない――経営陣はそんな危機感を抱いています。

そこで、次世代の経営を担う30~40代社員に刺激を与えるという狙いで、同世代の中途採用に乗り出します。自社とは異なるノウハウやカルチャーを持つ人材を迎え、組織に新風を吹き込むことで、次世代の経営を担う層の成長を加速させたい、というわけです。トップだけの勢いで採用してしまい、受け入れる組織全体の体制が整っていないと、刺激を起こすはずの人材が、周囲の圧力でつぶれてしまったりすることもあるので要注意です。

(4) 海外展開を図りたい

国内向けの事業を主としてきた大手企業でも、国内マーケットが縮小に向かう中、海外マーケットに打って出る動きが活発化しています。しかし、当然ながら自社には海外ビジネスの経験者がいないため、外部から採用することになります。海外事業部門の立ち上げを担うわけですから、それなりにマネジメント経験を積んでいる30~40代の層がターゲットとなります。

これまで組織に存在しなかった新たなセクションや機能の追加であるため、既存勢力との軋轢(あつれき)が少なく、外部から来た人材も、うまく合流しやすいパターンです。

(5) 新たな事業分野に進出したい

国内マーケットの縮小やテクノロジーの進化により、これまでのビジネスモデルでは十分な収益を上げられなくなっている、あるいは今後の衰退が目に見えている企業の場合、新たな事業分野を開拓する必要に迫られています。

過去には、製造業からヘルスケア分野にシフトして新たな収益源を生み出した企業などの成功例がありますが、このように自社のリソースを生かしつつ、新たな分野に進出する動きが広がっています。そこで、目指す事業分野の知見を持つ人材を求め、中途採用を実施するというわけです。

この場合、特定の事業分野での知識・経験が重視されるので、年齢は不問。むしろ、事業立ち上げの責任者を任せることになるため、マネジメント経験のあるミドル層が望まれるのです。

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