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就活生や転職者が気にするのはやはり給料。上場企業は有価証券報告書で公表しているが、年齢別の実態や決め方は明らかでない場合が多い。一方で「ヴォーカーズ」や「カイシャの評判」など、企業口コミサイトでは、待遇の満足度などの情報が飛び交うようになった。2017年4月、エン・ジャパン(東京・新宿)が発表した「仕事の満足度」に関する調査では、仕事に満足していない理由の1位は「給与額」で62%にのぼる。誰もが納得する給与の決め方はあるのだろうか。

働かない人が自分より給与が多いと納得できない

「働いていないオジサンが、自分より給与を多くもらっているのは納得できないと思った。厳しくても外資系に決めた」。こう語るのは、18年4月に外資系コンサルティング会社大手への入社が決まっている有名国立大の男子学生だ。まだ社会人として働いた経験はないが、「日本企業は給与・人事制度の納得性が低い」ということを親や先輩、メディアを通じて漠然と感じているらしい。日系の大手シンクタンクとどちらに入るか悩んだ末に、外資系に決めた。

日本の大企業の初任給は、例えば新卒総合職で21万円といったように、大半が一律だ。能力の差は考慮せず、まず横並びでスタートする。しかし、新卒に対する給与に柔軟性を持たせる企業も、ベンチャーを中心に出てきている。日本企業で唯一「ユニコーン」(非上場ながら企業の評価額が10億ドルを超える企業群)に仲間入りした、フリマアプリの「メルカリ」(東京・港)だ。HRグループの石黒卓弥マネジャーは「報酬は採用時にオファーする。金額は非公開だが、人によっては新卒の年俸が数百万円異なるケースもある」という。

メルカリでは、内定者が入社するまでの間に有力なスキルや経験を身につければ、内定後に提示した報酬を上げることもあるという。メルカリには、米カーネギーメロン大でコンピューターサイエンスを学んだ学生や、京都大学で人工知能(AI)を研究した有能な人材が続々と入社した。メルカリ創業者の山田進太郎会長は最高の人材を求めており、石黒氏らHRチームは、人事・報酬制度で様々な工夫をこらしている。

ソフトウエア開発のワークスアプリケーションズ(東京・港)も、入社時の能力で年俸に差をつけている。採用直結型のインターンシップで出される課題をこなし、認められて内定すれば、一般の新入社員よりも年俸が100万円多くなる。同社の牧野正幸最高経営責任者(CEO)は、「社員の報酬が安くても許されるのは、ごく初期のベンチャーだけ。パフォーマンスを出す優秀な人材には高い報酬を払わなければダメだ」と強く主張する。新卒段階で100万円以上も年収格差が生じる企業も出てきているわけだ。

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