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仮想通貨の実相:FX業界が熱視線 「潜在力は高い」 仮想通貨の実相(1)

2017/8/25

ビットコインやイーサリアムなどのインターネット上の仮想通貨(暗号通貨)に投資商品としての注目度が高まっている。不安定な規格やマネーゲームの傾向には危うさがつきまとうものの、それ以上に魅力があると、通貨専門の外国為替証拠金(FX)業界は熱い視線を送る。仮想通貨取引所「ビットトレード」を設立し、いち早く参入したFXトレード・フィナンシャルの鶴泰治社長に狙いなどを聞いた。

◇  ◇  ◇

――ビットコインなど仮想通貨の認知度が増してきました。

鶴泰治 1986年慶應義塾大卒業後、三菱信託銀行(当時)に入行。世界の各拠点でチーフディーラーとマネージャーを歴任、2008年にFXトレード・フィナンシャルに移籍。

「国家の裏付けがない仮想通貨は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や金融政策の変化から適正価格を導き出すことができない。一部の投機的な売買に振り回される状況が当分続くだろう。ただ長い目で見ると、決済インフラなどでのポテンシャルは高い。参入するメリットは大きいと判断した」

――一方で、様々なリスクも顕在化しています。

「FX会社が苦しんでいるコスト削減の圧力やスプレッド競争(売値と買値の差を極限まで狭める競争)は仮想通貨市場ではまだ弱い。早めに参入してノウハウを積み上げ、収益基盤を固めたい」

「仮想通貨がインフラとして現実社会に浸透するためには、自由に取引可能な開かれたマーケット(市場)が必要だ。法定通貨と同様に市場機能の整備は避けては通れない」

――といっても法定通貨同士のように厚みのある市場形成は簡単ではありません。

「供給手段が限られる仮想通貨は、時価総額1位のビットコインや同2位のイーサリアムでさえ取引の自由度(流動性)は極めて低い。取引所は連携して流動性を確保しようとしているが、現時点ではまとまった規模の注文が出ればすぐ混乱をきたしかねない状況だ」

「流動性が低く相場の振れ幅が大きいとどうなるか。顧客が損失覚悟の注文を指し値で入れても、希望よりもかなり不利なレートで成立するケースが増えると考えられる。預けている証拠金で損失を穴埋めできなければ、取引所は『未収金』を抱える。回収できないお金が膨らむと体力のないところは経営破綻の憂き目にあう」

――どう対処しますか。

「相場の急変動に伴う未収金の問題はFX事業でたびたび経験している。特効薬はないが、証拠金よりも運用額を膨らませられる『レバレッジ』や1回当たりの取引額に制限を設けるなど、FXでのノウハウを生かせそうだ」

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