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夫婦の対話は断然、夜より朝 その理由とは?

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仕事から帰ってきた後も毎日やることが山積みで、1日があっという間。寝たくてもその時間に寝られない! 働く母親にはそんな方も多いのではないでしょうか。家事や子どもとの時間をつくるためには、寝る時間を削るしかないと思いがちですが、成田奈緒子さんは「時間の使い方を変えれば大丈夫」と言います。そこで今回は、成田家の朝型生活の様子を聞きながら、早寝早起きが家族にどんなメリットをもたらしてくれるのかをご紹介します。

睡眠時間を削らず、家事や自分時間を確保できる?

こんにちは。小児科医の成田奈緒子です。働くお母さんのなかには「21~22時ごろに子どもと一緒に寝落ちして、家事をやり残してしまった」という方や、「寝落ちしたあと夜中に起きて仕事をしたため、結局、寝不足気味」という方がたくさんいるようです。仕事でクタクタに疲れて家に帰っても、ひと息つく間もなく夕飯の支度に後片付けやその他の家事が待っています。時には子どもの宿題を見なければいけない日もあるでしょう。子どもを寝かせた後に残りの家事をやるつもりだったのに、横になったらついウトウト……。無理もありませんよね。

子どもと一緒に早寝をすると、やるべきことを終えずに寝た自分を責めたり、自己嫌悪を抱いたりなどネガティブに捉えてしまうことが多いようですが、まずはその考えをリセットしましょう。

私は「大人が目標にしたい睡眠時間は7時間。23時までに寝付き、朝は6時までに起きるリズムが理想です」とお話ししています。ある日の私は20時30分ごろに寝て、朝3時半に起床しています。皆さんの一般的な睡眠サイクルとは外れているので、そんなに朝早く起きて本当に大丈夫? と言われますが、はい、大丈夫です。

なぜなら20時30分から朝の3時半まで7時間は寝ています。23時から2時までのゴールデンタイムはしっかり熟睡しています。まさに理想通りの睡眠です。

思えば長い年月、このようなリズムで暮らしていますが、とくに不調はありません。自分の体もそれに慣れているので、休みの日もだいたい朝の4時には目が覚めます。

用もないのに朝4時に目が覚めたら、「もう少し眠れるわ」とふつうは二度寝するかもしれませんね。でも、これからは考え方をちょっと変えてみてください。23時前にベッドに入り、たっぷり7時間眠ったのであれば、ゴールデンタイムが終わる午前2時以降なら、何時に起きてもかまわないのです。3時でも4時でもOKです。

皆さんも21~22時ごろに子どもと一緒に寝ているのなら、早寝早起きをスタートさせるチャンスです。途中で起きて、夜中に家事をがんばるなんてことはやめて、そのままぐっすり寝てしまいましょう。

夜の8時半に子どもと一緒に寝落ちしたのなら、親は7時間後の3時半に起きればOK。子どもの理想の睡眠時間は、5歳児が11時間、9歳児が10時間ですから、お子さんが9歳なら10時間後の朝6~7時に起きるまでの間はママの自由時間です。やり残した家事や家に持ち帰った仕事、録画したテレビを見るなどの息抜きは、この時間を活用すればいいのです。

仕事をしているママは子どもとスキンシップをとったり、コミュニケーションをしたりできるのは夜しかないと思われるかもしれません。わが家の場合は、娘も朝型人間なので、朝の4時すぎには起きだしてきます。たっぷり寝ているので、朝から親子で元気いっぱい。親子でおしゃべりする時間もたっぷりあります。家が活気づいていて、早朝はとっても楽しい時間帯です。朝食を食べるのが6時ごろ。この時間に朝食をとっていれば、お昼ごろにはしっかりおなかがすいて、昼食もおいしく食べられます。子どもも早起きして都合の悪いことは何ひとつありません。

夜はさっさと寝て、朝は早く起きるのが一番。自分のための時間や子どもと関わるのは夜から朝にシフトして、朝を目いっぱい、楽しみましょう。子どもの健やかな成長とママの心身の健康のためには、そのほうがずっと理にかなっています。

よき妻、よき母の呪縛にとらわれないで!

わが家では夜に家事のやり残しがあっても、時間がきたらベッドに入り、朝早く起きて片付けます。家事をするのは私だけではありません。夫や子どもが家事を分担してくれるように仕組んできました。

夫は母親に「あなたは勉強だけしていなさい。台所には一歩も入ってはいけません」と言われ、一切家事をせずに育ってきた人です。しかし、結婚してからは台所に入り浸っています。単身赴任中の今も「外食は量が少ない」などと言い、朝も夜も自炊。お昼のお弁当も自分で作っているようです。

娘には、私がもし病気になっても困らないよう、高校生になるころには家族の食事の支度ができるようにと、ステップを踏みながら教えてきました。

私のモットーは「台所を主婦が独り占めしない」こと。働いていてもいなくても、ママが一人で家事を担当するなんて、どう考えても無理です。でも、女性の活躍推進が叫ばれている現代でもなお、たいていのママは家事や育児は自分の役目だと思っています。それをしないと「第三者」から認めてもらえないのではないかという不安やプレッシャーを感じているのです。話を聞いてみると、その「第三者」がしばしば実の母親であることが多く、実母の呪縛にとらわれているママはたくさんいます。

そのようなタイプの実母の多くは、子育てに口を出してきたり、様々な場面でプレッシャーをかけてきたりします。ママたちは「ちゃんとした親にならなければ」という気持ちを常に持たされているのです。

加えて、実母世代は専業主婦としてがんばってきた人が多いので、食事の支度に手抜きをしたり、夫に洗い物をさせたりするなんてもってのほかという考え方。旦那様のワイシャツにもピシッとアイロンをかけて当たり前! そういう世代なのです。

私なんてアイロンがけをしたこともなければ、「あとはお願いね!」と言い残して、夫や娘に洗い物を託して出勤してくることがしょっちゅうです。実母がそばにいたら、間違いなく「夫に皿洗いをさせるなんて!」と言われることでしょう。

娘の家事や子育てに干渉したくてしょうがない実母の呪縛があり、なおかつ寝不足だったりするとママの心はどんどんと後ろ向きになり、子どもにも優しくできなくなります。いいことはひとつもありません。時代は変わりました。実母の呪縛にとらわれる必要は全くないのです。家事を一人で抱え込むことはやめましょう。

常々思うのですが、男の子でも女の子でも子どもはママのために働きたいと思っているようです。自分のしたことがママの役に立つのなら、子どもは素直にうれしいと感じているはず。また、生活は親だけが回すものではありません。家族は運命共同体ですから、子どもにも責任があります。子どもに家事を頼むことに遠慮はいらないのです。できることから少しずつ、家事を担当してもらいましょう。

完璧主義を捨て去り、料理や家事を家族とシェアする

料理や家事を家族とシェアするコツは、完璧主義を捨て去ることです。

夫や子どもに家事を頼むと、かえって自分の仕事が増えるのが嫌というママもいます。洗ったはずのお茶わんにご飯粒が残っていたり、洗濯物を自分と同じように畳めなくても、掃除機のかけ方が甘くても、ここは我慢。一度もそういったことをしたことのない人が初めてやったことに対して、寛容であるべきです。相手はゼロスタートなのだから、そこで怒ってしまうと台無し! 少々出来が心配でも任せてしまいましょう。

「できたね」「ありがとう」を繰り返せば、少しずつ上達します。そうすれば何より、自分自身がラクになれます。

ちなみに、私の場合はひとまず褒めて、その後10倍くらい落とします。洗濯物を畳んだら、まずは「すごい! よくできたね」と褒めておいて、「でも、これ、次に着るときにしわくちゃになってるよね」というように、褒めて落とす。厳しいと思いますか?

でも、うちの娘はしっかり寝て、朝日を浴びているためセロトニン(物事を楽観的に捉えられる働きのあるホルモン)の分泌がたっぷり。おかげで、楽天的な性格なので、ダメだしされても全くへこたれません。

以前はご飯茶わんを洗えば、ご飯粒が残っている始末。私に「あなたが洗ったお茶わんにご飯粒がついているけど」と言われていましたが、そのたびに、「お湯をかけて後でお茶漬けにして食べる」などと冗談で返してきます。それに対して、私も「そうだね。あなたのおなかも丈夫だしね」などとさらに返しているのですが、このようなやり取りをしているうち、いつの間にか洗い物も上達していきました。

洗い物をしてもらって汚れが残っていたら、「ちょっとこのご飯粒は何! 洗い直さなくちゃいけないじゃないの!」と腹が立つ人もいるかもしれませんね。私自身は普段からしっかり眠っているおかげで気持ちに余裕があります。もちろん、死ぬか生きるかのことに関しては、何をどうしようと根性を入れて怒りますが、ご飯粒のついたお茶わんごときではなんのそのです。

生活において、寝ることを最優先にしていると、こんなふうにささいなことでイライラすることがなく、自然と笑顔が多くなります。子どもも多少のダメだしにへこたれなくなり、軽口をたたきやすいのでしょう。わが家の場合、そのほうがお互いにストレスがたまりません。

たとえお茶碗にご飯粒がついたままだとしても、汚れた食器がシンクにたまっているより、食器を洗ってあるほうが断然いいと思いませんか。継続して家事に参加してもらえば、いつの間にか上達して、もっと楽ができるようになるのです。

朝の時間を活用すると、夫婦の対話が劇的に変わる

皆さんは夫婦でゆっくり話をする時間がとれていますか?

睡眠を十分にとれていないと気持ちに余裕がなくなるので、朝、夫が電車に間に合うかどうかの瀬戸際の必死にネクタイを締めているようなときに、「子どもの成績が悪くて……」とか、「学校から呼び出されているけど、何が起きたのかな」などと言ってしまうことはありませんか。

夫からしたら「まずい、間に合わない!」と心の中で焦っている状況ですから、このタイミングで話を持ち出されてもイラっとするに決まっています。すると、ママは「夫は全然話を聞いてくれない」と嘆き、つらい思いを抱えてしまう……。

そんなとき、私はママにこう聞きます。「いやいや、ちょっと待って、もう1回、考えてみましょうね。夫は今、遅刻するかもしれない瀬戸際で、必死にネクタイを締めているときです。もし、あなたが仕事に遅刻しそうなとき、問いかけられたらどうする?」

すると、皆さん「いや、それは無理です」と理解してくれます。ちょっとだけ立ち止まって考えれば分かることなのに、どこか余裕がなくなっているのですね。ママとしては、自分が抱えている不安を夫にも一緒に背負ってほしくて、とにかく話を聞いてもらいたいと思っています。もちろん、夫だって、息子の成績が振るわないことを心配していないわけではありません。話を聞こうという気持ちはあるけれど、今じゃないだろう。そういう状況です。

このケースではママが相手の立場を考え、夫の置かれている状況をくみ取れればよかったのです。それができなかった原因は、ママがしっかり寝ていないということの他に、お互いに対話の時間をとろうとしていないことにあります。

これは私の持論で、経験談でもあるのですが、夫婦の対話の時間を朝とるのか、夜とるのかを問われたら、断然、朝をおすすめします。その理由は、前回もお話ししたように、脳の整理整頓は夜、寝ている間に行われ、しっかり眠れば、ネガティブな思考に陥りにくくなるためです。いやいや、わが家は夜じゃないとそんな時間はとれないと思われるかもしれませんね。しかし、夜はもともとネガティブになりやすいうえに、二人とも一日働いて疲れて帰ってきた後です。そのような状態で話し合いをしても、残念ながらあまりいい結論は出ないのです。

でも、しっかり眠って、脳の整理整頓を済ませ、元気ホルモンのセロトニンがたっぷり出ている朝なら、きっといい結論を導けます。そのために夫にも早寝早起きをしてもらい、余裕をもって身支度してもらいましょう。朝ごはんを食べているときに15分でも20分でもいいので時間をつくってください。そうすれば、夫婦の対話は劇的に変わります。

成田奈緒子
 小児科医、医学博士、文教大学教育学部教授、日本小児科学会認定小児科専門医・発達脳科学者、「子育て科学アクシス」代表。神戸大学医学部卒業。小児科の臨床と基礎研究に従事。2005年より文教大学教育学部特別支援教育専修准教授、2009年より現職。『「睡眠第一!」ですべてうまくいく』(双葉社)、『早起きリズムで脳を育てる』(芽ばえ社)など生活リズムと育脳に関する著書多数。

(ライター 小山まゆみ)

[日経DUAL 2017年7月19日付記事を再構成]

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