山でも街でも活躍、小型バッグ「サコッシュ」3選
「サコッシュ(Sacoche)」はフランス語で"かばんや袋"という意味で、自転車のロードレースの最中に、補給食や水筒などをレーサーに渡すための袋が起源。本体自体が軽くて持ちやすいことや、必要なものだけを入れてすぐに取り出せるというシンプルさから、近年では多くのアウトドアブランドが登山などでも活用できるサコッシュを扱うようになった。今や街でも持ち歩ける軽くて小さめのファッション用肩掛けバッグとして人気を集めている。
そこで今回はアウトドアブランドのものを中心に、ケータイや財布、ミニタオルなどをちょっと入れておくのに便利なサコッシュを紹介する。アウトドアブランドだからこその機能性がプラスされたユニークなサコッシュをピックアップした。
大容量ポケット+蒸れに強い
スキー・アウトドアウエアブランドとして有名な日本のメーカー、フェニックスが「歩くための機能服」というコンセプトのもと、2015年にスタートさせたブランドが「アルクフェニックス(alk phenix)」だ。日常生活のさまざまなTPOにマッチするデザイン性と、同社の高いテクノロジーを駆使した機能性を併せ持つことが特徴。
アルクフェニックスの「zakoche」は細かい荷物を十分量収納しておける大容量のサコッシュだ。同ブランドの定番「zak」シリーズの大容量ポケットをそのまま踏襲したデザインで、メイン収納部のほかにフラップや内側背面にもポケットがあって収納力が高い。体に密着する部分は蒸れにくいラッセルメッシュ仕様で、ストラップは着脱しやすく、ユーザーの使いやすさ、快適さをよく考えた作りになっている。
2017年の秋冬シーズンアイテムとして登場したのが、表生地全面にリフレクティブ(反射)プリントが施された「zakoche / reflector heather」と、独特のエンボス加工が施されたオリジナル素材を用いた「zakoche / 3D urake」の2タイプだ。
reflector heatherは軽量で膨らみのあるクイックドライヘザーニット素材を使用しており、速乾性がある。またヘザーパターンのリフレクティブプリントだから、昼間は通常の素材に見えても夜間にライトを浴びると発光する仕組み。
3D urakeは独特のエンボス加工を施したハイテク裏毛(スウェット)素材のタイプ。reflector heather、3D urakeともにブラックとグレーの2色展開で、どんな服にも合わせやすいのもポイントだ。
保冷できてデジタル機器も収納可能
アウトドシーンで役立つオシャレなアイデアアイテムを作り出すことで有名なブランド「ハーフトラックプロダクツ」と、独特なデザインで人気のアウトドアブランド「ネイタルデザイン」がタッグを組んで誕生させたのが、「ハーフトラックプロダクツ×ネイタルデザイン"ガブリーブ ワイド"」だ。
「ガブリーブ」は、音楽フェスティバルやお花見に小さめのクーラーバッグがあれば……という発想から生まれたハーフトラックプロダクツのバッグで、今回紹介するのはそのネイタルデザイン別注モデルのワイドサイズ版。500mlの缶やペットボトルがラクラク入る大きさで、断熱素材であるシンサレートを使っているため、保冷効果が高く飲み物を入れてクーラーバッグとして使うことができる。実用性の高いバッグだ。
バッグの裏地にははっ水の生地を使用。冷たいものや温かいものを入れておいても結露でぬれる心配がない。
バッグ自体にクッション性もあるので、デジカメなどのデジタル機器を入れて持ち歩いても安心。カラーはネイタルデザインの代名詞ともいえるレトロストライプ柄とカモ柄の2パターンで、アウトドアシーンだけでなく通常のサコッシュとして街での普段使いにもマッチするファッション性の高いアイテムだ。
バックパックに装着する小物入れ
アウトドアシーンでバックパックを使っているとき、スマートフォンや財布、ミニタオルなど、すぐに取り出して使いたいものを入れておくのに便利なのが、「オスプレー」のバックパックに装着するバッグ「ウルトラライトグラブバッグ」が便利だ。
オスプレーといえば、アウトドアシーンで使える機能性とそのデザイン性が高く評価される米国のバックパックメーカーだ。このウルトラライトグラブバッグは、バックパックメーカーならではの視点で生まれた、ショルダーやウエストベルトに装着して使う小物入れのようなバッグ。体の正面側に付けておけば、入れたものをすぐに取り出せる。
取り付け方法は非常に簡単で、本体のストラップをちょうどいいサイズに伸ばして、ショルダーやウエストベルトに固定するだけ。ストラップの長さを調節するだけなので、メーカーを選ばずどんなバックパックにも装着できるのがポイント。
容量は約1.5Lで重さは90g。小さいながらも十分な容量があり、バックパックにプラスしても気にならない重さ。ストラップを長めに伸ばして単体で使えば、サコッシュやウエストポーチとしても使えるため、使い方のバリエーションも豊富。調節したストラップは背面部分に収納しておけるので、バックパックに付けておきたい登山や旅行はもちろん、ちょっとした小物を入れて持ち歩きたいときなど、あらゆるシーンで活躍してくれること間違いなしだ。
(文 安東 渉、中澤範龍)
[日経トレンディネット 2017年7月28日付の記事を再構成]
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