古代エジプト、2000年前の墓を発見 子ども用の穴も
エジプト考古省は、2000年以上前に岩を掘って造られた3つの墓を発見したと発表した。
これらの墓は、カイロから200キロほど南のエル=カミン・エル=サフラウィという場所にある。考古省の担当者がエジプト政府のニュースサイト、「アハラム・オンライン」に伝えたところによると、墓からは大きさの違う複数の石棺(サルコファガス)や、土器の破片などが見つかっているという。
その破片から、墓は第27王朝(紀元前525~404年)時代とグレコ・ローマン(ギリシャ・ローマ)期のプトレマイオス朝時代のものであることがわかった。第27王朝は、エジプトが初めてペルシャのアケメネス朝に支配された時代で、プトレマイオス朝はその1世紀ほど後に始まる。
「この事実から、この場所が長年にわたって大規模な共同墓地として使われていた可能性があります」。考古省で古代エジプト部門の責任者を務めるアイマン・アシュマウィ氏は、アハラム・オンラインにそう語っている。
一帯からは、以前の発掘でも墓が20ほど見つかっている。いずれも第27王朝で広く使われていた地下墓地の様式だが、今回発見された3つの墓の構造はそれとは異なるようだ。
3つの墓のうち2つは、垂直な竪穴のある埋葬室だった。さらに、2つの墓の内外に、より単純な埋葬用の穴も計15個見つかっている。中には、子ども用の小さな穴もあった。発掘責任者のアリ・エル=バクリー氏によると、エル=カミン・エル=サフラウィから子どもが埋葬されていた証拠が見つかるのは初めてのことだ。
見つかった骨から、埋葬されていたのは、子どもを含むさまざまな年代の男女だったこともわかっている。軍隊の駐屯地ではなく、大規模な共同墓地のような場所ではないかと考えられるのはそのためだ。
エル=カミン・エル=サフラウィからは、もっと多くの発見があるにちがいない。現在、3つ目の墓の発掘が行われている。
(文 Michael Greshko、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年8月18日付]
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