バンダイ(東京・台東)は「ガンプラ」の愛称で親しまれる人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル専門店を東京・台場に開いた。すでに韓国と台湾で展開しており、国内では初めて。9月24日からは実物大ガンダムの立像の展示も始める。東京五輪・パラリンピックの会場から近い立地で、観戦などで訪れた外国人にガンダムの魅力をアピールする。
「ガンダムベース東京」という名称で、商業施設のダイバーシティ東京プラザ内に8月19日に開いた。物販、体験、工場紹介の3つのコーナーに分かれており、広さは合計約2000平方メートル。物販コーナーでは新作や旧作合わせて約2000種類のガンプラを取り扱う。Tシャツなどの洋服や有名ブランドとコラボしたカバンなど、ガンプラ以外も販売する。
体験コーナーでは、購入したガンプラをその場で組み立てて製作できる。スタッフが常駐し、不慣れな人をサポートする。9月2日からは有料で、本格的な塗装もできるようにする。工場紹介コーナーでは、ガンプラを生産する様子を実演する。部品をかたどる金型や、できたての温かい部品を触ることができる。初年度の売り上げ目標は5億円。
ガンプラ専門店が入っている商業施設の広場には、創通(東京・港)などと共同で、ガンダム立像を新設する。「機動戦士ガンダムUC」に登場する「ユニコーンガンダム」で、高さは約20メートル。8月26日からは同じ高さに撮影デッキを設けて、建設中の写真を撮れるようにした。台場のガンダム立像設置は09年夏(潮風公園)、12年春~17年春(ダイバーシティ東京プラザ)に続き3回目。20年の東京五輪・パラリンピックまで展示を続けるかどうかは未定という。
バンダイはガンプラ専門店を日本に先立ち03年からアジアで展開してきた。現在、韓国で10店舗、台湾で2店舗を構える。ガンダムの関連商品の売上高は11年度から6年連続で増加しており、16年度の売上高は約267億円で10年度に比べ倍近く伸びた。海外での売上高が4割を占め、そのうち8割がアジアだ。
20年に東京五輪・パラリンピックの会場となる台場に店舗を構えることで、アジア以外の国・地域の人々にもガンプラをアピールする。18年3月末までに50万人の来場者を見込んでおり、そのうち半分を訪日客にする目標だ。
バンダイは海外のガンプラ専門店もさらに7店舗増やす計画。日本でガンプラに触れてファンになった人が、帰国後に母国で購入する流れをつくりたい考えだ。
[日経MJ8月21日付を加筆して再構成]