女性アイドル6人組BiSH パンクなステージで魅了
2016年5月にデビューした女性6人組のBiSH(ビッシュ)は、攻撃的なハードコアパンクを中心に壮大なロックバラードまで歌いこなし、ステージ上を所せましと踊るパフォーマンスが特徴だ。16年9月に発売した1stアルバム「KiLLER BiSH」は、iTunes総合チャート1位となり、翌月には東京・日比谷野外大音楽堂でワンマンを開催するなど人気上昇中だ。
ライブ中にメンバーが突然走り出すなど暴走も連発。熱狂したファンが客席で体をぶつけ合う、モッシュを繰り広げることも珍しくない。
結成は15年。過激なパフォーマンスで人気を集め、14年に解散した女性アイドルグループBiS(ビス、16年に再結成)のプロデューサーが、代わるグループとして立ち上げた。メンバーチェンジを繰り返し、16年8月にアユニ・Dが加わり現体制に。結成メンバーでメインボーカルを務める、アイナ・ジ・エンド(アイナ)は「個性の強いメンバーたちのところへ、何にも染まっていない純真なアユニ・Dが入ったことで、彼女をフォローしようとみんなが一致団結しました」と、グループの成長に胸を張る。
5曲入りのミニアルバム「GiANT K iLLERS」は、深まった絆を感じさせる1枚だ。表題曲は高速ビートのロックナンバー。アイナは「メンバーの歌うパートが全員にバランスよく割り振ってあり、理想だった歌のバトンリレーが実現できました」と笑う。
作詞を多く手がけるモモコグミカンパニー(モモコ)は、「コーラス部分は低いキーなので、男性ファンでも歌いやすく、ライブで一緒に歌えるのが楽しみ」と言う。
ミドルテンポの楽曲「Nothing.」は、モモコがBiSHにいる意味を考え抜き作詞した。BiSに憧れていたから今の自分があるということを表現するため、BiSのラストシングル「FiNAL DANCE」から歌詞を引用。「『孤独が運命さ』とBiSさんは歌って解散しました。でもBiSHはまだ続くんだよというメッセージを込めて、『孤独が運命なんて言葉虚しいな/そう思わない?』と書きました」(モモコ)。
アイナは「今後は日本武道館公演が目標です。90回公演をしているTHE ALFEEさんを超えるぐらいライブを重ねたい」と夢を語る。チームワークの増したサウンドとパフォーマンスは、ファン層を拡大する大きな武器となりそうだ。
(「日経エンタテインメント!8月号」の記事を再構成。敬称略。文/中桐基善 写真・藤本和史)
[日経MJ2017年8月18日付]
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