男の着こなし術

何を選べばいいのか!? スーツの4つの仕立て方 ファッションコンサルタント / 評論家 黒部和夫

2017/8/31

スーツ採寸のスペシャリスト、松屋銀座アトリエメイドの宮崎俊一部長(右)と粟竹将専任係長

ビジネスパーソンの外見力を向上させるために、まずは手っ取り早く効果が極めて高い方法が、正しいサイズのスーツを身につけることです。連載第1回に書いた「スーツサイズ5カ条の御誓文」の(1)着丈(2)袖丈(3)身幅(4)襟元(5)裾丈――のサイズを正しくするだけで、あなたを魅力的な男性に変身させてくれるはずです。スーツの仕立て方には次の4種類があり、それぞれの利点があります。

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■スーツの4つの仕立て方

1. 既製服(レディーメード)

量産工場にてマシンメードで大量生産するので比較的安く手に入ります。極端に安い物もありますが、30歳以上の方は品質のことを考えると7万円以上のものが良いでしょう。

着用した時のイメージが分かりやすいのも利点です。既製服はベストバランスで設計されています。このため、それに身体を合わせることで体形維持にもつながります。スラックスの裾丈調整だけであれば、短期間で着用できるという利点もあります。

2. パターンオーダー(既製服を用いたイージーオーダー)

自分のサイズに近い既製服や、「ゲージ」と呼ぶサイズサンプルを着用して細かい補正をして行きます。パターンオーダー料金がプラスされても量産工場にてマシンメードで縫製するため、比較的安く手に入ります。既製服同様、30歳以上の方は7万円以上のものが良いでしょう。

既製服を用いてサイズだけ合わせていくので、着用した時のイメージが分かりやすいのも利点です。また、身長の高い方、小柄な方など縦方向の調整に向いており、上着と組下スラックスのサイズが違う方にも向いています。出来上がりまでは約1カ月かかります。

銀座松屋アトリエメイドでは、ゲージサンプルを着用して細部の補正を進めます

3. イージーオーダー(パーソナルオーダー)

自分のサイズに近いゲージを試着して細かい補正をして行きます。イージーオーダー専用工場にてマシンメードで作るため、近年は既製服と変わらない5万円代から作れるようになりました。30歳以上の方は芯地や仕立て方がワンランク上の7万円以上のものを選びましょう。もちろん高価な生地を選べば価格はそれ以上になります。

最近はクラシコイタリア、ブリティッシュ、アメリカントラディショナルなど、仕立て上がりのスタイルが明確なものが増えて、着用した時のイメージが分かりやすくなりました。素材、ボタンなどの付属、デザイン、ディテールが自由に選べるうえ、体が後方に反った「反身体」、前かがみの「屈身体」、いかり肩、なで肩などの体形に応じた補正もできます。一般の方はもちろんのこと、学生時代にスポーツをしていて筋肉が発達した方には特にお薦めです。仕上がりまで1カ月ほどかかります。

4. オーダー

既製服の3~5倍以上の価格ですが、縫い代をたっぷり取っているため、将来体形が変化した場合も仕立て直しができて、長い目でみると結局は安くつきます。

その人のための1着を熟練した職人さんがハンドメードで縫い上げるので、費用と時間はかかりますが、自分にぴったりのサイズで出来上がり、満足度も比べものになりません。

先の3種類の仕立て方と異なるのが、途中で「仮縫い」という工程が入る点です。このため出来上がりまで3~6カ月かかります。

ちなみに英語では「ビスポーク」、イタリア語では「ス・ミズーラ」と言います。「オーダー」という言い方は日本だけで、海外では通じません。

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