衣料品の国産率わずか3% 工程分散、産地の疲弊進む よくわかる 国産ファッション(1)

これまで日本の衣料品会社は「渡り鳥」のような生産地の移管を進めてきた。中国の人件費が高まると、ベトナムやバングラデシュ、ミャンマーなどに生産を移す。ただ、その手法はいつか行き詰まる。国内需要に頼る日本各社は、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)など世界規模の巨艦に調達力で勝てない。

繊維産業に関わる事業者数も90年比で約4分の1に減少した。経営者の高齢化も進み、手を打たなければ今後さらなる廃業などが進む見通しだ。

「日本は繊維産業が行程ごとに地理的に分散していて、非効率だ」。衣料品業界に詳しいコンサルティング会社、ローランド・ベルガーの福田稔プリンシパルは指摘する。地理的集約があるイタリアや、業界団体が仕事の割り振りも手掛ける米国などと異なり、日本は工場が散らばる。川上から川下までばらばらに動いてきた過去がある。

時が経てば国内繊維産業はより競争力を失いかねない。時間がない中、国産ファッションの再興にやっと動き出した官民がクリアすべき課題は小さくない。

佐竹実、岩戸寿、原欣宏、奥津茜、沖永翔也が担当します。

[日経産業新聞 2017年5月1日付を再構成]

第2回「世界めざし生産改革 ベンチャー企業がIT活用」もあわせてお読み下さい。

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