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リーダーのマネジメント論

2017/8/22

リーダーのマネジメント論

「会社組織での社外取締役にあたる団体の理事に、利用者のお母さんに入ってもらっています。彼女も、最初は我々のサービスを受けて助かった人かもしれない。しかし、今は理事として経営に参加してもらっています。この循環を続けたい。そういう意味では、新しい経営のやり方を生み出していると思っています」

お金ではないやりがいをどう持たせるか

――非営利団体では、ボランティアの存在も重要です。

「ボランティアだけではありません。たとえば弁護士、公認会計士など、仕事を通じて得た専門知識を生かしてNPO等を支援する『プロボノ』という人たちもいます。彼らは、お金で動くわけではありません。仕事の意味、やりがい、参加している感……。さまざまな非金銭的なツールを使って動機づけをしなくてはいけない。でも、そのやり方をノウハウとして学ぶ場はありません。手づかみで学ぶしかない。参加意識を持ってもらい、彼ら自身のアイデンティティーになることが一番重要なことです。上意下達でやれ、といっても動いてもらえません」

「企業でも、最近軍隊のボスのようなリーダーから、ともに作り出す『ファシリテーション型』のリーダーへ、といわれます。ソーシャルビジネスでは、多様なステークホルダー(利害関係者)を相手にするし、お金で動いていないから軍隊方式ではそもそも通じない。多様な人々にどう主体的に動いてもらうか、考えるマネジメントを要求されます。我々は、そうしないとプロジェクトが回らないんです」

――「説明責任」や「多様性」、「二枚目の名刺」といった、今キーワードになっている働き方を、すでに実践している印象です。

「ソーシャルビジネスは、経営の未来をつくっていると思っています。今は『ソーシャルビジネス』といった、別の名前で呼ばれていますが、いずれ融合していくでしょう。実際、垣根はどんどんなくなっているし、我々が特別ではありません。僕らの仕事の仕方は、未来においては一般的なものになると思います」

駒崎弘樹
1979年東京都生まれ。私立市川高校を経て慶応義塾大学総合政策学部卒業後、フローレンスを設立、代表理事に就任。著書に「『社会を変える』を仕事にする」「働き方革命」(筑摩書房)がある。

(松本千恵)

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