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ナレーションにも「ツッコミ」を意識(井上芳雄)

第4回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。今回はナレーターの仕事のことを話そうと思います。4月から『美しい日本に出会う旅』(BS-TBS)という紀行番組で、「旅の案内人」としてナレーターを始めました。日本の各地を訪れて、まだ知られていない美や伝統を紹介する番組です。僕と高橋一生さん、瀬戸康史さんの3人の男優が、週替わりでナレーションを担当しています。僕は淡路島、岐阜、秋田などの回を担当しました。

前回書いたラジオもそうですが、声の仕事をやりたいと思っていました。ナレーターもスペシャル番組などで何回かはやったことがあったのですが、今年になってレギュラーが決まりました。とはいえ正直に言えば、僕にはまだナレーションの何たるかがはっきりとわかってなくて、いろいろ試行錯誤している段階です。

最近は、俳優のナレーションが増えていますね。俳優は台本のセリフを読むのに慣れているし、滑舌も関係あるのかなと思います。僕はどちらかというと滑舌がいい方だと思うので、ナレーションに向いていると思っていました。

1時間番組ですが、最初スタッフの方には、収録は普通3時間くらいかかるものだと言われました。ですが3人とも、実際の収録時間は2時間半を切るくらいで、早かったそうです。「俳優さんはお上手ですね」と言っていただけました。

でも、僕にとってナレーションが簡単か難しいかといえば、まだ簡単ではないです。言葉をしゃべるのは、お芝居でずっとやっていることなので、全く新しいことではありません。ただ、セリフという役の気持ちを表現するのではなく、映像の状況を説明する点が大きな違いです。当然、感情の乗せ方が変わってきます。

イントネーションを一番チェック

さらにナレーションが難しいのは、正確に発音しないといけません。一番チェックするのはイントネーションです。収録のときは、地名が多いのですが、「アクセントはどっちですか」という質問をスタッフの方によくします。もちろんセリフのときも気にするのですが、舞台は幕が開いたら後に戻れないし、感情が入っているとイントネーションが多少違っても成立してしまいます。でも、ナレーションにおいては、常に正しいイントネーションでしゃべることが重要なのです。

主役は旅をしている場所の景色や、そこで出会う人たちであって、自分ではないので、映像を膨らませるしゃべりも求められています。僕は、そのコツをまだきちんとつかめてないのかもしれません。

他の俳優のナレーションで印象深いのは、『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ)の故・藤村俊二さんです。すごく味がありました。中嶋朋子さんも優しげで、でも抑揚があってすてきだと思います。僕も、自分らしいナレーションの口調をつくれたら、もっとよくなると思っています。リアルなしゃべりでもないし、演技をしているわけでもない。そこの間合いがまだつかめていないので、それを見つけるのが今後の課題です。

そういう意味で、「ボクの細道」という実況に近いコーナーは自由度があるので、いろいろ試しています。台本に書いてないことを言って、「うわー」と驚いてみたり、「どうなんですか」と突っ込んでみたり。秋田の回なら、渓谷の温泉から吹き出す高温の蒸気を見て、「これのどにもいいなあ。ここで発声練習したいですね。あー」と言ったりしました。シニカルなことも含めて、収録のときは思いついたことをどんどんしゃべります。実際の番組では使われたり、使われなかったりですけど。

ちょっと毒を吐くのが自分の色

どんな仕事でも、おのずと自分の色は出るはずですが、さらに強く自分を押し出したほうがいいのでは、と最近は思っています。実は、昔は自分の色がよくわからなくて、与えられたものを一生懸命やらなきゃ、という感じでした。それが大前提としてあったうえで、その人だからこそできるものがあると、使う側も使いやすいし、見ている方の印象にも残りやすい、というふうに考え方が変わってきたのです。

しゃべりだと、僕の場合は、ちょっと毒を吐くところが色になっているのかなと思っています。スタンスが基本的に「ツッコミ」なんです。これは面白いことなんだとか、この人はボケてるんだ、というのを見ている人にわかってもらった方が絶対にいい。突っ込んで面白くなることって、たくさんあると思います。ツッコミはすごく大事で、僕はそれが得意です。ナレーションでも、そういう色を出していければ、と考えています。

ナレーターの仕事は、まだ手探りの段階ですが、やはり新しい分野にチャレンジするのはワクワクするし楽しいですね。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。10月12日(木)に「井上芳雄 by MYSELF スペシャルライブ」を東京国際フォーラムにて開催。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第5回は9月2日(土)の予定です。

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