「センスというものは先天的よりもむしろ後天的なものだと思います。自分で身なりに気を使っていると、良いコーディネートをしてくれる店員さんを見つけるとか、いい店を見つけるとか、自分ひとりでセンスを磨かなくても、少しアンテナを張ればそういう人と出会えるわけですよね」

「いつも言っていますが、人間はスーパーマンじゃないんだから、全てのことができるわけではない。しかし、たけた人と出会って、アドバイスしてもらって、学習していけば自分もおのずと向上していくと。だから出会いがすごく大事だと思うんです」

――ご自身にとって、ファッションとは何でしょうか。

「時計は究極のお洒落」と語る堀場氏に、社長就任25年の今年、役員らは腕時計をプレゼントしたという

「何か自分の余裕を見せるところでしょうか。大げさな言い方をすると、文化であり歴史ですね。自分自身の考え方など、積み重ねてきた年齢とともに自然に出てくるものじゃないかなと思いますね。身の丈にあったものにしないと、よくないと思いますね。積み重ねを表現する自然体が一番理想だと思います」

「京都には西陣織などの素晴らしい着物文化、さまざまな技術があったにもかかわらず、国際化はしなかった、あるいは世界市場にチャレンジしなかった。クオリティーもセンスも全部素晴らしいのに結局、フランスやイタリアのブランドに負けてしまいました」

「自動車排ガス測定装置は、もともと欧米が発祥で彼らの強い分野の工業製品ですが、今はHORIBAの測定装置『MEXA(メクサ)』が世界市場のデファクトスタンダードになっています。もともと優位にあった日本の着物産業がグローバル化しなかった理由は、資産もブランドも全てあったのに、それを正しい方向に投入しなかったことが大きいのではないかと思っています」

「我々にしても、製品が常に世界一、性能が世界一とはいかないときもありますが、やはり継続は力なりで、製品の性能が上がらないときでもサービスとかサポートでカバーすることによって、ブランドを世界一まで押し上げてきました。当たり前ですがそれには20年、30年、40年、かかっています。やはりそういう努力の継続がどんな産業でも必要だと思っています」

「我々は『一人一人が大切』というスピリットで、オペレーションしています。我々の事業領域は自動車、半導体、環境、医学、科学・研究用と多岐にわたります。これらの分野は全部、性格が違います。これを京都にヘッドオフィスを置きグローバルに経営しているわけです。そうすると一人一人の生産性と意識が高くないとオペレートできません。ですからやはり、それぞれの仕事においてのリーダーとなる人が、大事だと思います」

(聞き手は平片均也)

前編「スーツにノータイ? 世界ではあまり見かけませんね 」もあわせてお読みください。

「リーダーが語る 仕事の装い」は随時掲載です。

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