服装もマネージできずに、人をマネージできますか?堀場製作所会長兼社長 堀場厚氏(下)

分析・計測機器大手の堀場製作所では、グループの従業員約7000人のうち日本人の割合は4割を切る。「海外の人たちをマネージしていくには、服装も彼らに見劣りしてはいけない」と説く堀場厚会長兼社長に、前回掲載「スーツにノータイ? 世界ではあまり見かけませんね」に引き続き、ビジネスの「戦闘服」としてのスーツの着こなしについて聞いた。




――スーツを選ぶ際、どのような点にこだわっていますか。

「やはり生地の風合いというか色合いというか、これが良いモノは良い意味で遊びがありますよね。だから良い生地で正統派なものだけが良い、という感覚は私にはあんまりなくて、当社の社是『おもしろおかしく』ではありませんが、『おもしろい生地』という点を重視します。我々のDNAなのでしょうか、一風変わったモノを選びますね。デザインはオーソドックスですが、どこか色が変わっているとか。そのような遊び心が好きです。他と一緒が嫌いなんですね。これは京都の人間の典型的なスピリットなのかもしれません」

「変えられるところは微々たるものですが、そこが違う。サムシングディファレントというやつです。分かる人には分かるという、これが堪(たま)らんお洒落(しゃれ)だと思います。『俺はこのブランドでこれや』と言っているのは、京都では一番嫌われますね。『この人はきっと、〇〇というものを着てるだろう』『この人はどんなお洒落を見えないところでしてるんだろう』と思われることが堪らなくお洒落ですよね」

2016年に稼働した開発・生産拠点「ホリバ・ビワコ・Eハーバー」は船の意匠であふれる(滋賀県大津市)

「父(堀場製作所創業者の故堀場雅夫氏)はすごくお洒落でした。私はむしろ疎い方でしたね。でもだんだん、歳を重ねるごとに、また海外のいろいろな人と接していくうちに、負けないな、と感じるんですよ。いま我々のグループの従業員約7000人のうち海外の社員が約4200人、日本人の割合は4割を切っています。でも海外の人たちをマネージしていくには、仕事だけではオペレートできないんですね。服装も彼らに見劣りしてはいけない。特に衆目されるトップはそうですね。だから弊社の幹部はみんな服装もきちんとしていると思います」

「というのも、幹部の彼らも子会社の社長を務めたりするなどの海外経験で、自然と肌で感じているんだと思います。何もお金をかけるとか、ブランド物でそろえることではなくて、身だしなみを整えていないと結局、会社のトップや、きちんとした相手に会ったときに、軽く見られたり、あるいは相手にしてもらえないということを何度も経験をしているんだと思います」

SUITS OF THE YEAR 2020
Watch Special 2021
Instagram