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「正社員の求人倍率、初の1倍超え」というニュースが話題になりました。しかし、ミドル世代の転職によるキャリアアップはそう簡単ではありません。求人数が伸び、選択肢が増えていることもあってか、転職相談をしていると「自分のキャリアをどう描けばいいかわからない」という人が多くいます。これでは意中の企業は振り向いてくれません。今回は、35歳までに「自分の本職」を決定しておくべき理由と、そのためのキャリアづくりについてお話しします。

求人増加でも、なぜ選択肢が増えた実感はないのか?

厚生労働省が7月28日に発表した6月の正社員の有効求人倍率は、前月より0.02ポイント高い1.01倍でした。1倍を超えて求人が求職を上回るのは2004年の調査開始以来初めてのことです。企業の人手不足感が一段と鮮明になり、賃金上昇圧力が高まる可能性まで指摘されています。また、同日発表の6月の完全失業率は2.8%で、「現在働く意思のある人なら誰でも働ける『完全雇用』状態にある」と報道されています。

しかし、35歳以上の第一線で活躍するプレーヤーや、マネジャー・部長クラスの方々と面談していると、実態・実感は大きくかい離しています。

 「20社以上に応募したが、面接まで進めたのは3社だけ。しかもすべて1次面接で不採用になってしまった」(42歳、メーカー・営業管理職)
 「自分の希望に合う求人がほとんどない。転職サイトから届くスカウトメールでは、自分とは畑違いで希望もしていない住宅の営業や外食産業、生命保険営業などばかりが届くので辟易(へきえき)している」(46歳、通信機器商社・経理課長)

これだけ激しい人手不足で、「完全雇用」状態にありながら、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。すべての求職者に対して、平均して求人が1件以上ある状態とはいえ、実際には、地域や業種、職種は偏在しているので、求職者一人ひとりが、自分が通える範囲の地域で、希望している仕事があるとは限らないからです。

さらに、収入や労働時間などの条件が合う仕事となると、もっと難しくなります。ましてや35歳以上になると、一部の専門職や需給がひっ迫している職種(施工管理や薬剤師など)を除き、瞬時に受け入れ先企業が半減してしまうため、求人の飽和時代であっても、希望の求人がない、転職できないという人は生まれ続けるわけです。

会社の意向による異動ではキャリアの背骨が作れない

このような求人市場の状況に、個人個人はどう対応していけばいいのでしょうか。結論から書くと、(1)業務における専門性を高める、(2)マネジメント力を強化しておく、の2点に尽きます。

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