「俺にぴったり」数カ月待ち 専門店オーダーの醍醐味

人と同じものでは満足できない男性の間で、オーダー品の人気が上昇中だ。細部にこだわって仕立てるシャツ、革とバックルの組み合わせを楽しむベルトなど。多くは小規模な専門店が扱い客層も限られていたが、ネットで情報が広がるにつれファンの裾野が広がった。体形や好みにぴたりと合う特別感と、数カ月待ちで手に入る“時間差”が、モノへの愛着を強める。

◇   ◇   ◇

仕立て職人が20カ所採寸

6月、セレクトショップのストラスブルゴ大阪店(大阪市)に「ハウステイラーズラボ」が開店した。職人が常駐するオーダーサロンで、顧客と対話しながらビスポーク(特別注文服)のスーツやコートを仕立てる。2015年にストラスブルゴ南青山店(東京・港)に開設したラボに続く関西の拠点だ。

山神さんの手掛けるシャツは肌によりそうような着心地が人気だ(大阪市のストラスブルゴ ハウステイラーズラボ)

7月中旬には南青山店に常駐する、日本では数少ないシャツ職人の一人、山神正則さんのオーダー会が開かれた。山神さんが手掛ける「山神シャツ」は立体的なシルエットとボタン付けに特徴がある。

首、肩幅など採寸は20カ所にのぼり、とりわけ骨格を重視する。肩甲骨が隆起しているか、荷物はどちらの手に持つことが多いか、普段着ける時計の厚みはどのくらいか――。チェックポイントは数多い。ボタンと生地の隙間は、かけたり外したりしやすいよう、ちょうど指が入りやすい幅に調整。その幅も首元や腹部などボタンの位置によって微妙に変えている。

山神さんの信条は「着ていることを忘れるくらいフィットしたものにすること」。どんな体形の人でも「余計なシワが寄らない、違和感がない、と満足してもらえる」と自信を見せる。

ドレスシャツからカジュアルシャツまで対応し、価格は3万5000円から。新規客の場合は完成までに5カ月を要する。「こんなに動きやすいシャツはない」とすでに20着オーダーした会社経営者もいる。注文客の8割がリピーターになる。

衣服に比べてオーダーしやすいのがベルトや財布といった小物類だ。百貨店やチェーン店の商品とはひと味違う素材やデザインを求めて、専門店を訪れるビジネスマンが増えている。

インポートのシルバーバックルと革との組み合わせを楽しめる(大阪市のファニーIMP店)

象、クロコダイル、パイソンなどの革ベルトに、繊細な手彫りの模様が入ったシルバーのバックル。ウエスタンスタイルの専門店ファニーIMP店(大阪市)では自分好みのベルトとバックルの組み合わせを選べる。ベルトは1万円前後から。米国やメキシコからの輸入バックルは5万円前後~数十万円まで。

SUITS OF THE YEAR 2019
男と女 ときめくギフト
Watch Special 2019