「俺にぴったり」数カ月待ち 専門店オーダーの醍醐味

同店は約30年前からオフィスビルの中で運営している。店長の菅野愛さんは最近、客層の広がりを実感するという。「今の消費者が求めているのはオリジナリティー。シルバーのバックルはデニムスタイルにもスーツにも合わせられ、ビジネスマンに好評」という。取り外し可能なチェーン、コンチョと呼ばれる円形の飾りなどを選べる長財布も人気で、ブランドものでは飽き足らない消費者の心をつかんでいる。

ひと味違う独自性求める

奥山武さんが選び抜いた米国製ブーツが手に入る(東京都台東区の福禄寿)

東京都台東区にある福禄寿は米国製ブーツ専門の修理店として知る人ぞ知る存在。バイク好きのオーナー、奥山武さんが02年に開店し、米ブランド「リオス・オブ・メルセデス」「レッドウィング」「ラッセルモカシン」などのウエスタンブーツやエンジニアブーツの輸入も手掛ける。ブーツの中心価格はレッドウィングが4万円、リオスが9万円など。

ユニークなのは色、ストラップ、ステッチ模様、先の丸みなどを奥山さんがメーカーに発注した、希少な「奥山モデル」であること。ソールは数十種類の中から好きなものを選べる。当初、顧客の大半はバイク愛好家だったが、近年はネットでの注文が急増。先日は受注開始後2週間で、十数種用意したリオスのブーツ計300足が完売した。

ソール張り替え(1万~1万5000円)で靴底を厚くしたり、真っ赤な色のソールを付けたりできる。「お客がステッチや革をバランスよくフルオーダーするのは難しいので、僕がトレンドも踏まえたオリジナル品を作り、販売数量も制限している。皆が持っている商品なら要らない、という消費者が増えているからね」(奥山さん)

オーダーには店主や職人のセンス、個性が色濃く投影される。それが消費者の共感を呼ぶ最高のスパイスとなる。

(編集委員 松本和佳)

[日本経済新聞夕刊2017年8月12日付]

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