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インド経済は電子化で沸騰中 日本からの投資は投信で 世界のどこに投資する?(6)インド・後編

2017/8/17

日本から世界のどこに投資すればよいか、専門家インタビューなどで分析していく本連載。今回の「インド・後編」では、舞台を2000万人規模の人口を擁する商都ムンバイに移し、経済分析をなりわいとする2氏に現地経済の実情を聞く。

■電子決済の急拡大も消費に寄与

1人目はインドに勤務して7年が経過した大和キャピタル・マーケッツインディアの小西健太郎社長だ。「インド経済は加速しており、雇用は潤沢。特に若い世代は英語や経済のデジタル化など変化への対応が速く、好況の原動力になっている」と語る。

――インド経済の見通しをどうとらえているか。

「インドは中長期的に消費が経済をけん引する構図だ。国民の平均年齢が25歳程度と若く、生産年齢人口の伸び余地が大きい。『高成長で若い』という経済は主要国でも類を見ず、成長期待を支えている。実質GDP(国内総生産)成長率は8%程度の高い水準の達成が可能とみており、2019年は昨年来の経済改革の恩恵が表れ、9%に届く可能性もある。加えて、清廉さが売りのモディ政権が『経済第一』を掲げて経済改革を本格的に進めている。これまでにない勢いで経済の透明化が進む可能性がある」

――具体的にはどんな施策が展開されているのか。

大和キャピタル・マーケッツインディアの小西健太郎社長

「第1に16年11月に実施された高額紙幣の廃止(Demonetization)だ。紙幣の全流通量の86%に当たる1000ルピー、500ルピー札を無効化した。この影響で、不動産や宝飾品、ぜいたく品の消費は落ち込んでいる。ただ中長期的には良い影響が出るとみている。この政策は賄賂などブラックマネーの排除を狙ったもので、税務申告に、日本でいう『マイナンバー』に当たる『Aadhaarナンバー』の提示が義務付けられた」

「さらに電子マネーを中心としたデジタル経済(キャッシュレス社会)への移行が加速している点に注目したい。デビットカードの決済は16年10月~17年1月の約4カ月だけでそれ以前の2.2倍の4900億ルピーに達しており、クレジットカードの伸び(1.1倍の3271億ルピー)を大きく上回った。政府系ガソリンスタンドや列車定期券の購入、有料道路、国営保険会社への保険料支払いなどについて『電子決済による割引』を設けており、若い層を主体とするインド人が電子決済へ切り替えている。高齢者の比率が高い日本よりこの辺の変化のスピードはかなり速いと思う」

――大きな税制改革もあった。

「その通り。第2のポイントが、今年7月に導入された物品サービス税(GST)だ。これまで州ごとに異なる間接税をかけていたのを統一した。日本にいるとイメージが湧きにくいが、インドでは州ごとに言語も文化も異なり、税率まで異なる。そのため州境では役人による賄賂も横行していた。GSTは税を統一化することで国内物流を効率化させるだけでなく、こうした賄賂を減らす効果も期待できる」

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