MONO TRENDY

Bizギア・フラッシュ

立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化 納富廉邦のステーショナリー進化形

2017/8/22

少し前までペンケースを持ち歩く会社員は少数派だった。しかし、最近はビジネスパーソン向けのペンケースが次々に登場している

たくさんの筆記具を収納でき、しかも使用するときにはペンスタンドにもなるペンケースが増えている。このタイプの製品が支持されるようになった理由は何か。そしてどんな新製品が出ているのか。長年文具を取材し続ける納富廉邦氏が、「消耗品から『高級実用品』へ ボールペン、進化の秘密」「仕事の筆記具変えた、本当に芯が折れないシャープペン」に続き、ビジネスに役立つ最新ペンケースを解説する。

■多様な文房具を持ち歩きたい

少し前まで、大人、特に会社員でペンケースを使う人は少なかった。筆箱やペンケースを持ち歩くのは学生時代まで。社会に出ると、カバンかポケットにペンを1本程度、というのが一般的だったのだ。お気に入りの万年筆を保管するための革のペンケースは、嗜好品や装身具の一種として使われていたけれど、筆記具や文具を入れて持ち歩くためのペンケースが、大人の間でも当たり前になったのは、ここ5年くらいの話だろう。

中でも、2015年ごろから注目を集め始めたのが、たくさんの筆記具が収納できるペンケースだ。このタイプのペンケースの先駆者は、コクヨの「ネオクリッツ」(2006年発売)。立てるとペンスタンドになるタイプの構造が話題になり、ペンケースがビジネスツールとしても使われるきっかけをつくった。

コクヨ「ネオクリッツ」 元祖「立つペンケース」。大容量で筆記具以外の文房具も収納でき、使用時にはペンスタンドになる構造は、当時、唯一無二の「持ち歩ける作業環境」だった

収納力が高いペンケースを会社員が持ち歩くようになった背景には、リーマン・ショック以降、文房具が会社から支給されなくなったという事情がある。文房具の歴史を解説する記事では何度も出てくる話だが、リーマン・ショックまでは文房具は会社から支給されるケースが多く、会社員は自分で文房具を買わないのが当たり前だったのだ。

会社員が自分で文房具を買い始めたタイミングに合わせたように、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」、パイロットの「フリクションボール」など、ボールペンの歴史を変えるような画期的な製品が登場。さらにその少し前から仕事の効率化に手帳を活用する、いわゆる「手帳ブーム」が来ていたことなども重なり、文房具に目を向けるビジネスパーソンが増えていった。そして最新文房具の便利さ、多様さに気づいた人たちは、さまざまな筆記具を持ち歩きたいと考えるようになる。

働き方の変化も関係している。この頃から、「ノマド」「フリーアドレス」といった、決められたデスクではない場所で仕事をする機会が増えていった。仕事のための道具として文房具を持ち歩く必要性が増していたのだ。実際、ネオクリッツはさまざまなメディアで紹介された。それを見た他社も、「立つペンケース」の大人需要に気がつく。

ネオクリッツとノートがあれば、そこは作業環境。ノマドワークス支援ツールの元祖でもある

そうして2016年にペンケース新製品ラッシュが始まったのだ。

■ポーチがスタンドに変身

2016年春に発売されたサンスター文具の「DELDE(デルデ) ペンポーチ」は、一見、布製のポーチに見える外観だが、上部のファスナーを開いて、そのままタブを押し下げると、自立するペンスタンドのように使えるという、大容量のペンケース。ちょっとした化粧ポーチにも使えるサイズは、ハサミやテープのりなども余裕で収納できるため、女性を中心に大ヒット。一時は品切れが続くほどの人気になった。

サンスター文具「DELDE ペンポーチ」 上部のファスナーを開き、中央部のタブを引き下げるだけで、ペンスタンドに変身。ポーチ的な外観も含め、発売直後から大ヒットになった

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
サントリー天然水 成長の原点は「首掛けPOP事件」
日経クロストレンド
日本初「カチッと鳴る」歯ブラシ ライオンが開発
日経クロストレンド
ダイソー本格100円コスメ 僅か2カ月で400万個突破
日経クロストレンド
30代前半で世帯年収1000万超 好きなブランドは?
ALL CHANNEL