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色気をまとうSUV レンジローバー・ヴェラール

日経トレンディネット

2017/8/31

2017年7月11日に日本での受注が始まったランドローバーの新型SUV「レンジローバー・ヴェラール」。発表会にはジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン社長(左)と英ランドローバー チーフ・デザイナーのジェレミー・ウォーターマン氏が登壇
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ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2017年7月上旬、新型SUV「レンジローバー・ヴェラール」を日本で初公開し、受注を開始した。税込み価格は699万~1526万円。

ヴェラールは同年3月2日に英ロンドンで世界初公開されたばかりのSUVで、ジャガー・レンジローバーを経営難から救った「レンジローバー・イヴォーク」の高級版とも言えるクルマ。レンジローバーブランドには現在、最上級モデルの「レンジローバー」、スポーティーさを強調した「レンジローバー・スポーツ」、エントリーモデルでデザイン性がウリのイヴォークというサイズとキャラクターの異なる3モデルがあるが、ヴェラールはイヴォークとレンジローバー・スポーツの間を埋める存在という。

LEDヘッドライトは「インテリジェント・ハイビーム・アシスト」と「アダプティブ・フロント・ライティング・システム」を備えた「マトリックス・レーザーLEDヘッドランプ」を採用

最大の特徴はルーフを押さえ気味にしたデザインで、ジャガー・ランドローバーを経営危機から救うことに貢献したイヴォークと似た方向性を持つ。SUVというと力強さを前面に出すモデルが多いが、ヴェラールは色気や美しさを感じさせるデザインをまとう。

ルーフラインはクーペのように大きく傾斜し、LEDヘッドライトはフルにメイクした女性の目元を感じさせる。またボディーサイドを美しく見せるために、ドアハンドルは電動格納式になった。ルーフが浮いたように見えるフローティングルーフや途切れないベルトライン、フェンダー上部までカバーするクラムシェルボンネットなど同社ならではのデザインアイコンにより、英国生まれの伝統的な高級SUVであることをアピールしている。

ランドローバーでは初めて、電動格納式のドアハンドルを採用

ボディータイプは5ドアのみで、ボディーサイズは、全長4803×全幅2032×全高1665mm、ホイールベースは2874mmとなる。サイズとしてはレンジローバー・スポーツをややコンパクトにした程度。メルセデス・ベンツ「GLE」やBMW「X5」といったミディアムクラスのSUVと同等サイズだ。

全長4803×全幅2032×全高1665mmでミディアムクラスのSUV

■プラットフォームはジャガーのSUV「Fペース」と同じ

インテリアはかなり先進的。特にインフォテインメント・システム用モニターの場所がユニークで、一つは従来通りの分かりやすい位置に設置されているが、そのすぐ下にも同サイズのモニターがある。こちらはセンターコンソールに一体化されていて、エンジンスイッチをオンにして初めてモニターだと分かる。新しさを感じさせつつ、レンジローバーらしい気品と安らぎを感じさせるシンプルなインテリアを実現するための工夫だ。

全グレードに、高解像度の10インチのタッチスクリーンを2台装備。最新のインフォテインメント・システム「Touch Pro Duo」を標準し、ナビを表示しながら、エアコンの調整、音楽の再生などが行える

またインパネやシートには高品質なレザーだけでなく、デンマークのテキスタイルメーカー「Kvadrat」社とのコラボレーションによる生地などをオプションで用意。これにより新たなプレミアムスタイルも提案している。

ボディーサイズが大きいので、キャビンは広々としていて大人5人が快適に過ごせるだけでなく、ラゲッジスペースは673L~最大1731Lまで拡大可能で実用性も高い。

プラットフォームはジャガーのSUV「Fペース」と同じで、車体全体の80%以上にアルミニウムを使用する軽量モノコック構造を採用している。

■日本にクリーンディーゼル初導入

多彩なパワートレインが用意されていることもヴェラールの特徴の一つだ。日本での注目はアルミニウム構造製である新世代の2.0L直列4気筒ターボエンジンINGENIUMが主役であること。ガソリン仕様のINGENIUMエンジンが日本に導入されるのはジャガーとランドローバーの両ブランドを含めて今回が初めてだ。トランスミッションは全車8速ATとなる。

多彩なエンジンラインアップをそろえるヴェラール。展示車は、3.0LのV6スーパーチャージャー付きエンジン搭載車だ

まずクリーンディーゼルエンジン1タイプとガソリンエンジン3タイプの合計4タイプが日本に導入される。クリーンディーゼルエンジンは180ps/430Nmを発揮する2.0Lの直列4気筒ターボで、レンジローバーとしては日本初導入。残り3タイプのガソリンエンジンは、250ps/365Nm仕様と300ps/400Nm仕様の2.0L直列4気筒ターボ、そして380ps/450Nmを発揮する3.0LのV6スーパーチャージドエンジンとなる。

また全車電子制御式の四輪駆動システムを備え、路面状況に合わせて前後50:50から、後輪100%、時には前輪100%と、駆動力を自動調整する。もちろんほかのレンジローバー車同様に悪路走破性は高く、路面状況に合わせた走行モードを選択できる「テレインレスポンス」を全車標準装備。深さ650mmまでの河川を渡れるというオフローダーの一面も持つ。

■スマホでドアのロックや解除、エアコンを操作可能

先進機能もレンジローバーシリーズの中では最新のものになる。

象徴的なのが全車に標準搭載されるインフォテインメント・システム「Touch Pro Duo」だ。10インチの高解像度タッチスクリーンを2つ、上下に配置してナビやオーディオ機能などを個々に表示できるようにし、使いやすさを向上。また走行路面に合わせて、エンジン、ギアボックスなどを最適に設定する「テレイン・レスポンス」の操作もタッチスクリーンで行えるように、センターコンソール周りのデザインを一新している。

ステアリングスイッチも新たにタッチスイッチ式になり、先進性を感じさせる演出に一役買うだけでなく、ボタンに割り当てる機能はユーザーがカスタマイズも可能だという。さらに多機能な12.3インチの高解像度TFTバーチャルコクピットのメーターパネルも選べる。

コネクティビティー機能も強化しており、ほとんどのスマートフォンやAndroid Wear、AppleWatchに対応した 「InControlリモートスマートフォンアプリ」を設定。アプリによるドアのロック/アンロック、乗車前のエアコン操作、走行履歴など車両情報の取得などが行える。またSIMカードを差し込むことで使用できる4G対応の車内Wi-Fiシステムも用意される。

先進の運転支援機能も充実しており、歩行者対応の自動緊急ブレーキや車線逸脱警告機能、車両周囲360度を映すサラウンドカメラシステムなどを全車に標準装備。オプションではあるが、全車速対応のアダプティブクルーズコントロール(ACC)や後方からの接近車両を知らせるブラインドスポットモニター、車線内維持を支援するレーンキープアシストなど一通りの機能は装着可能となっている。

■ヴェラール、ほぼ間違いなくヒットしそう

初年度、通年受注を受ける導入記念モデルの「FIRST EDITION」以外は、どのエンジンでも全グレードが選べるようになっており、トータルなモデル数は先述の通り33グレードもある。選択する自由も、高級車の楽しみの一つということなのだろう。

イヴォークの場合、高級SUVを出し続けてきたレンジローバーシリーズの中では価格が抑えられていることも大ヒットにつながった要因だ。しかし、超高級車を愛用する富裕層の中にもイヴォークを日常使いしている人が 多いとも聞く。ありそうで意外となかった『高級車メーカーのセクシーなSUV』というキャラクターがウケたのだろう。

そうしたキャラクターを受け継ぎ、さらに多用途性を備えたヴェラールは、ほぼ間違いなくヒットするのではないだろうか。今後のレンジローバーのデザインの方向性を示すものだともいわれるだけに、ヴェラールの売れ行きからは目が離せない。

(ライター 大音安弘)

[日経トレンディネット 2017年8月1日付の記事を再構成]

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