『24』キャストを一新 変わらぬ人気、初登場1位
2017年7月 海外ドラマ月間レンタルランキング
近年の海外ドラマの大きなトレンドが、大ヒットシリーズが相次いで復活していること。この夏は、7月から『24 -TWENTY FOUR-』、8月から『プリズン・ブレイク』という一時代を築いた2大ヒット作の新作がリリースされた。TSUTAYA月間レンタルランキングでは、さっそく7月度に『24』の新作が1位で初登場。往年と変わらぬ圧倒的な人気を見せた。
『24』は2001~10年に全米FOXネットワークでシーズン8まで放送されたドラマシリーズ。テロリストとの24時間の戦いを24話のリアルタイムで描く画期的なスタイルで世界中で大ブームとなった。主人公は、架空の組織CTU(テロ対策ユニット)の捜査官ジャック・バウアー。キーファー・サザーランドの当たり役となり、彼は世界的な人気スターとなった
14年には、4年ぶりの続編となる『24 -TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ』が製作された。こちらは12話だが、リアルタイム進行は変わらず。ジャックの活躍はここで完結し、キャストや設定を変えて17年に始まったのが『24 -TWENTY FOUR- レガシー』だ。キーファーは製作総指揮として参加し、新たな主役に若手のコーリー・ホーキンズを抜てきした。24時間のタイムリミットはこれまでのシリーズと同じで、前作と同様に12話で完結する。
ストーリーはこうだ。陸軍特殊部隊のユニットリーダーを務めていたエリック・カーターは、イエメンでテロリストのリーダーを殺害した後、報復を避けるために名前を変えて妻と新しい生活を送っていた。ところが特殊部隊の仲間が、テロリストの部下に次々と殺害される。新たなテロ計画への懸念が浮かび上がり、カーターは再びテロとの戦いに身を投じる…。
エリック役のコーリーは、映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』やドラマ『ウォーキング・デッド』などで注目された若手の黒人男優。191センチのすらりとした体格と高い身体能力が特徴で、アクション場面にスピード感を与え、作品を一気にリフレッシュさせた
また『24』の人気キャラクターで元CTUのトニー・アルメイダを演じるカルロス・バーナードが出演するなど、オリジナルキャストも登場。従来のファンも満足させる内容になっている
■『プリズン・ブレイク』も復活
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏によると、レンタルの利用者は旧シリーズのメインユーザーである40代以上の男女が中心。また、5月に放送された『アメトーーク!』で「24芸人」を取り上げた際には、放送日から4日間のシーズン1のレンタル利用者のうち10代男性の数が前週の16倍にも増えた。「2000年代のブームを知らない若い世代にも人気が波及し、海外ドラマの王者『24』は今もなお健在です」と中山氏は言う。
コーリーが主演を務める『レガシー』は本作で完結。今後は、別シリーズを立ち上げて『24』を継続すると発表されている。中山氏が「主役が女性や日本人の可能性があることを期待しています」と語るように、リアルタイム進行でテロと戦うヒーローというコンセプトはそのままで、新たな展開が期待できそうだ。
人気シリースの復活という点では、8月11日からは『プリズン・ブレイク』シーズン5のリリースが始まる。05~09年に全米放送された脱獄ドラマで、無実の罪で収監された兄を救うために、天才の弟が自ら刑務所に入り、脱獄を決行するという展開で世界的に大ヒット。『24』と並んで一時代を築いた海外ドラマの代表作だ。そのオリジナルキャストとスタッフが集結して、8年ぶりに復活した新作とあって、こちらも人気を集めそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。