一発大勝ちと欲張るな 分散でリスク減らして安心投資積立王子のヤング投資入門(5)

海外資産も含む分散投資を解説する金融庁のサイト(NISA特設ウェブサイト)

「金融庁ってそんな具体的なことまで提案しているの?」と思う人もいるかもしれませんが、例えば金融庁の「NISA特設ウェブサイト」の「投資の基礎知識」「投資の基本」(http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html)には、分散投資のうち「資産の分散」や「地域の分散」が紹介されています。最近の審議会の説明資料(http://www.fsa.go.jp/singi/kakei/siryou/20170203/03.pdf)にも「投資対象をグローバルに分散させることで、世界経済の成長の果実を享受することが可能に」という表記があります。

最後に、この国際分散投資について少しまとめてみましょう。長期投資は投資対象の価値の増大、すなわち「成長」こそがリターンの前提になるとお伝えしてきましたが、国際分散投資も、「世界経済全体は長期で見ればこれまで安定した成長を続けてきた」という歴史的事実に立脚点があります。そして「だから合理的に考えれば、今後も引き続き世界経済は安定成長を続けるだろう」という仮説にのっとったアプローチです。筆者も世界経済の成長を呼び込んで資産を育てていく国際分散投資に賛同する立場です。

成長しない対象への集中投資は問題

逆説的に言えば、私たち日本人はこれまで日本株を持つことが投資の大前提だと思い込んできて、中には資産が日本株や日本株投信だけに偏っている人も大勢いました(投資のカントリーバイアスというものですね)。しかし、日本経済は過去20年間ずっと成長できなかったわけで、それに立脚した日本株への集中投資、とりわけ日経平均株価など日本経済全体を表すインデックスへの集中投資というのは、長期投資の観点からは残念ながら合理性を欠いた行動だと言わざるを得ないわけです。

では、そもそもなぜ世界経済は全体で見るとずっと安定成長を続けてきており、これからも同様の成長軌道をトレースすると想定できるのでしょうか? その道理を知っておくことは国際分散投資の有効性を「腹落ち」させる上で大いに大切なことです。そして国際分散投資をかなえるポートフォリオといっても、そのアプローチ手法は様々です。

次回は「世界経済が長期的には成長軌道にある理由」に加え、最適なアセットアロケーション(資産配分)の考え方も併せて学ぶことにしましょう。

中野晴啓
セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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