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次世代リーダーの転職学

急速に広がる副業・兼業 80歳まで働く時代の処方箋 リクルートワークス研究所副所長 中尾隆一郎

2017/8/11

一方で、『ワーク・シフト』の著者でロンドン・ビジネススクール教授、リンダ・グラットン氏のいう「人生100年時代」に備えた会話は、私の周囲でも確実に増えてきています。これまで、一般的に約40年間だった働く期間が、1.5倍ほどにのび、80歳以上までの約60年間働き続ける世界に私たちは突入しています。世界的に健康寿命が延びており、実際に80歳くらいまでは働ける状態の人が大多数になってゆくのです。

一方で、企業の寿命は短くなっています。会社が存続し続けたとしても、主要事業は変化し、他企業との合併なども日常茶飯事です。新卒一括採用のシステムを勝ち抜いて就職したとしても、その会社で「終身雇用」として定年を迎える可能性は大幅に減少しています。

定年や突然の退職で「本業」から離れる時に、仕事や収入源が「副業・兼業」のような形で複数あれば、仕事と生活の変化にも対応しやすくなるはずです。さらに、副業・兼業を持つ働き方は、働く個人の成長を後押しし、本業と副業・兼業の相互に良い影響を与える可能性もあります。若いうちから「パラレル」な働き方に挑戦してみることは、これからを生き、働く人にはプラスになることが多いのではないかと考えています。

■「労働時間3分割」のススメ

とはいえ、自分の職場ではまだ副業・兼業が認められていないとか、認められていても、さまざまな事情やすぐに取り組むのは難しいという人がほとんどだと思います。そんな方に試してみてほしいのが「労働時間3分割」の考え方です。現在1日あたり9時間働いている人であれば、それを3分割して、3時間を一つの単位として考えると、働き方に違う風景が見えてきます。

例えば、2単位6時間を今の仕事に使い(6時間勤務)、残りの1単位3時間を、社外での活動や勉強など、視野を広げたり、キャリアアップのために使ったりできないか。この考え方だと、その単位を副業・兼業に置き換えた場合のことも、イメージしやすいと思います。3時間では長すぎると思う人は、まずは30分、1時間でも、「人生100年」「パラレルキャリア」の時代に備えて、勉強などに取り組んでみてはどうでしょう。

私も、ちょうどこの原稿を書き始めたとき、とある企業からお声掛けいただき、月20時間以内で副業・兼業をスタートすることになりました。刺激を受けつつ、新たな貢献ができているように感じ、充実感のある日々を過ごしています。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は8月18日の予定です。連載は3人が交代で執筆します。

中尾隆一郎
リクルートワークス研究所副所長・主幹研究員。リクルートで営業部門、企画部門等の責任者を歴任、リクルートテクノロジーズ社長などを経て現職。著書に「転職できる営業マンには理由がある」(東洋経済新報社)、「リクルート流仕事ができる人の原理原則」(全日出版)など。

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