株の信用倍率とは? 将来の株価動向の判断指標

「株式投資でよく聞く信用倍率について、その意味と有効な使い方を教えてください」(神奈川県、40代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

個別銘柄の株価の動向を見極める際、将来的な株式の売り買いがどれだけ生じるか、判断の目安となるのが信用取引の売買注文残高です。信用取引とは証券会社から資金や株を借りて売買することを指します。株を買ったまま決済しない残高を「信用買い残」、売ったまま決済しない残高を「信用売り残」と言います。

信用取引残高の状況を把握するための指標が「信用倍率」です。信用倍率は買い残を売り残で割って算出します。例えば、とある銘柄の買い残が1000万株、売り残が500万株ある場合、信用倍率は1000万株÷500万株=2倍となります。

信用倍率が1倍より大きければ買い残が多く、1倍より小さく、ゼロに近づくと売り残高の方が多いことになります。一方で、買い残と売り残が拮抗するラインは「信用売りする人が少ないことを踏まえて1.5倍程度とみた方がよい」(カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジスト)との指摘もあります。

一般的に用いられる制度信用取引では、原則として6カ月以内に反対売買で決済しなければなりません。このため、信用倍率の低い銘柄は将来、買い戻しが入りやすく、株価を下支えすると考えられます。

信用取引では株価が下落し含み損が膨らむと、担保として預けている委託証拠金から含み損相当が差し引かれます。この証拠金が一定水準を下回ると、追加保証金の差し入れ義務(追い証)が発生してしまいます。特定の銘柄だけに投資したり、持ち高を買い一方向に傾けたりすると、株価下落と追い証を同時に受けかねないので注意したいところです。

[日経ヴェリタス2017年8月6日付]

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