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頭が痛い戸建ての修繕費 新たな積立制度が相次ぎ登場

2017/8/8

戸建て修繕費は自主的に準備することになる

 戸建て住宅の購入を検討していますが、長期的には修繕費が結構かかると聞いて不安です。分譲マンションの修繕積立金のような仕組みはないでしょうか。

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 戸建てだとマンションの修繕積立のような仕組みがないため、自主的に資金を準備することになる。30年間で数百万円程度の修繕費が必要になるともいわれており、計画的な備えが欠かせない。昨年来、戸建てを対象にした新しい修繕積立のサービスが相次いで登場している。

 住宅設備メンテナンスの日本リビング保証(東京・渋谷)は子会社を通じ、電子マネーで住宅修繕資金を積み立てる「おうちポイント」を運営する。昨年から戸建てを含む幅広い居住用住宅に対象を広げた。

 ポイント制度に加盟する住宅事業者経由で申し込めば、月1口3000円から積み立てられ、電子マネーがたまる。積立額の約1.6%のボーナスもつくので一般的な預金よりは「高金利」といえる。修繕工事などの際にこの電子マネーを代金に充当できる。

 現在は新築での利用が中心だが、今年7月にリフォーム業者もポイント制度の加盟対象にした。今後は住宅リフォーム業者を通じ、既存住宅の所有者も同制度を利用できるようになる。

 ヤマダ・エスバイエルホームも昨年、ジャックスと組んで、同社が販売する戸建て住宅所有者向けの積立制度を始めた。こちらはプリペイドカードに毎月入金する仕組みで、ボーナスは積立額に応じて最大で5%。積立金は修繕だけでなく、ヤマダ電機が扱う家電製品の購入にも使える。

 ただし、この2つの制度を使って修繕工事をする場合、住宅を購入した事業者に依頼することが前提だ。相見積もりを取って自由に業者を選びたい所有者には必ずしも向かない。

 日本住宅保証検査機構(東京・千代田)が昨年開発したサービスを使えば、自分で修繕業者を選べるという自由度がある。損害保険ジャパン日本興亜の積立火災保険と専門家の住宅定期点検などがセットになっている。

 一般的に火災保険は掛け捨てだが、この保険は満期返戻金を現金で受け取れるため、それを修繕費用に充てられる。集団扱いで加入するため「通常より補償部分の保険料は5%安い」(損保ジャパン日本興亜)。ただし、瑕疵(かし)担保責任保険の対象住宅であることが条件だ。

 現時点では戸建て向けの積立制度には何らかの利用条件が付く。条件に合わない場合は個人で積立火災保険に加入するのも一案だ。集団割引はないが、満期金を自由に使える。財形住宅貯蓄で積み立てるという選択肢もある。条件を満たせば利子等が非課税になる。

[日本経済新聞朝刊2017年8月5日付]

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