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給与天引きの雇用保険料 失業時以外も使える給付制度 知って得するお金のギモン

日経ウーマン

2017/8/10

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日経ウーマン

 社会保険労務士の望月厚子です。中学生の娘のワーキングママとして、日々格闘中……。子育てにだいぶ手がかからなくなった一方、お金がかかるようになったと実感しています(笑)。

 さて、働く女性のほとんどが、毎月の給与から雇用保険料を払っていますよね。実は、2017年の4月から、雇用保険料率は毎月の給与総額の0.4%から0.3%に引き下げられました(労働者負担分)。月収20万円の人なら、これまでより月200円安い、月600円となります。

 ちなみに、雇用保険というと、失業手当をすぐ思い浮かべますが、使わないと損なのが、「教育訓練給付制度」です。

■資格を取得する前に必ずチェックすべき制度

 スキルアップのために資格を取りたい、勉強したいと思っても、「お金がかかるから」とちゅうちょしてしまう人もいるのでは?

 雇用保険には、資格や技術を身に付けてキャリアアップできるようにサポートする「教育訓練給付制度」があります。

 この制度は、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、修了すると自分が支払った受講料の20%(上限額10万円)が戻ってくる仕組み。指定講座にはTOEICや簿記検定、インテリアコーディネーターなどがあり、通学講座だけでなく、通信講座も含まれます。例えば、30万円の受講費用がかかった場合、6万円も戻ってくるので、とってもお得です。

 また、保育士や介護福祉士、看護師など、より専門的な資格が対象の「専門実践教育訓練給付」もあり、支給額は受講費用の40%(年間上限額32万円)。さらに、受講修了後、1年以内に資格取得して就職した場合は、20%の追加給付が! この追加分を合わせた支給額は、受講費用の60%(年間上限額48万円、最大3年間で144万円)にもなります。ただし、被保険者期間など、一定の受給要件があるので、興味のある人は受講開始前に厚生労働省や各スクールのホームページをチェックしてみてください。

(イラスト:いいあい)

■育休中にもらえるお金も雇用保険から!

 ちなみに、育児休業中の強い味方「育児休業給付」も雇用保険の制度のひとつなんです。 

 育休中の人は、原則子供が1歳になるまで雇用保険から育児休業給付金がもらえます(育休期間中に月額賃金の80%以上を受け取っている場合は支給なし)。月収20万円の人なら、育休開始から6カ月間は13万4000円(月額賃金の67%)、その後は10万円(同50%)が受け取れるのです。

 また、保育園に入れない場合は、育休と育児休業給付金を6カ月間、延長できます。さらに、今年10月からは、子供が2歳になるまで育休の延長が可能になり、延長期間中も育児休業給付金が受け取れることに。

 「育児と仕事を両立できるか不安……」「保育園に入れなかったら、仕事を辞めるしかない?」とマイナス思考に陥り、会社を辞めてしまったら損。たとえ保育園に入れなかったとしても、育休の延長&給付金をもらい、なんとか乗り切ってほしいものです。

 このように、雇用保険は失業中のときだけでなく、キャリアアップのために勉強したいとき、育休中のときも金銭面でサポートしてくれる存在。上手に利用してくださいね。

今月の回答者

望月厚子さん
 社会保険労務士・FP。望月FP社会保険労務士事務所代表。大学卒業後、生命保険会社、独立系FP会社を経て独立。公的年金や保険、住宅ローン、ライフプランニングなどの個人相談ほか、セミナー講師としても活躍。

[日経ウーマン 2017年9月号の記事を再構成]

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