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オリパラ
インバウンド最前線

2017/8/10

インバウンド最前線

不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、17年から20年ごろまでに主要8都市で既存ホテルの26%に当たる約6万5千室分のホテルが開業する。東京は25.6%増の約2万5千室、大阪は34.9%増の約1万8千室が新たに生まれるもよう。訪日客の人気が高い割にホテルが少なかった京都は約8千室と36.1%増える見込みだ。

ビジネスホテルがけん引、ひずみも

当初、20年の五輪・パラリンピックでは深刻な「ホテル不足」に陥ると指摘されていた。みずほ総合研究所の調査をもとにした試算では、20年に東京で1万6700室、大阪で1万3300室が不足するとされていたが、新たに生まれる客室数はそれらを上回る。訪日客数の動向によっては客室が余剰になる恐れさえある。

客室数増加のけん引役は新興の「ビジネスホテル」組だ。アパグループ(東京・港)は17年から20年までに47ホテル(約1万4500室)の開業を計画。東横イン(東京・大田)は18年までに25ホテル(約8400室)、共立メンテナンスは「ドーミーイン」を20年3月までに31ホテル(約5800室)つくる。

こうした最近のホテル増加の影響は、既存ホテルに出始めている。渋谷エクセルホテル東急では「新しいホテルに客足が流れている」(相馬克俊リザベーションマネジャー)と不安を隠さない。都内では稼働率が伸び悩むホテルが目立つ。

アパグループは19年秋、横浜市内に客室数2311室の日本最大級のホテルを開業する(中央の高層ビル、完成イメージ図)

ひずみを懸念する声も出始めている。ホテル運営を手がけるコアグローバルマネジメント(東京・中央)の中野正純社長は「シングルルームを増やすホテルが多い」と指摘する。シングルは収益性が高いため、出張者などをうまく取り込もうとする企業は多い。しかし、急増している訪日外国人のなかで、カップルやファミリー層ではシングルでは泊まりにくい。目先の利益を重視する姿勢が裏目に出ているという。

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