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五輪のホテル、不足せず? 民泊も交えもてなし競争に 新設・改装ラッシュで都市部の客室数、3割増の見通し

2017/8/10 日本経済新聞 朝刊

2度目の五輪を迎える老舗の「東京プリンスホテル」。テラスからは東京タワーが間近に眺められる(東京都港区)

 2020年の東京五輪・パラリンピックまで3年。折からの訪日外国人客の増加を受けて、ホテルの新設・改装が相次いでいる。東京、大阪など都市部の客室数は今より3割近く増える見通しだ。一方、一般の住宅に有料で泊める民泊は来年1月にも全国で解禁される。当初の「ホテル不足」の懸念は後退し、いまや「供給過剰」さえささやかれる。ホテル、民泊入り乱れてのおもてなし競争が始まろうとしている。

■老舗ホテルには2度目の五輪

 老舗ホテルにとって20年は2度目の東京五輪だ。訪日外国人(インバウンド)の観光需要は当時と比べて大幅に高まり、ビジネスでの利用も増えている。老舗ホテルは改装やサービス強化で魅力を高め、需要の変化に対応している。

 「普通のレストランやカフェよりも開放感があるよ」。セ氏30度を超える7月の真夏日、日光が照りつけるテラスでベルギー出身の会社員、フィリップ・カプランさん(50)がモヒートを片手にくつろいでいた。フィリップさんは家族3人で東京プリンスホテル(東京・港)に2日間泊まり、都内を観光した。

 東京プリンスホテルは前回の五輪が開かれた1964年に開業。2度目の五輪への期待を込め、約50億円を投じて客室やロビーなど施設を全面改装した。フロアごとの客層を明確に位置づけ、家族の旅行客からビジネス利用まで幅広い需要を取り込む。昼はカフェ、夜はバーとして楽しめるテラスも新設した。

「ホテルニューオータニ」は一部の客室にヒノキ風呂を設置(東京都千代田区)

 前回の五輪で生まれたのが「ユニットバス」だ。ホテルニューオータニ(東京・千代田)は大会に間に合わせるため、浴室を限られた期間で大量に設置する必要に迫られた。あらかじめ工場で生産した材料を現場で組み立てるユニットバスを導入、大会を乗り切った。

 20年の五輪に向けては約30室の客室にヒノキ風呂を設置する。出張で日本を訪れ、週末には観光も楽しむ海外企業の社員などを想定。都心にいながら日本を体験できる。室内に設置したタブレット端末で天気や観光の情報を見たり、スマートフォン(スマホ)で撮った写真をテレビに映したりできる。

 体験型のサービスも重視している。フロントオフィス課コンシェルジュの山中真美氏は「海外の方は漠然と特別な体験をしたいと相談に来る」と話す。最近は習字や茶道、生け花体験の問い合わせが多いという。今年から1人1万5千円でホテル館内で浴衣の着付けをするサービスを始めた。

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