趣味に金をつぎ込む妻 老後資金は「1億円ほしい!」家計再生コンサルタント 横山光昭

Cさんが家計を見直すようになるには、どうしたらいいでしょうか。それは自身の美術の勉強のための学費が家計を圧迫していること、食費を含めた今の支出すべてが当たり前ではないことを本人がしっかり認識することです。「やっているつもり」「これ以上できない」という思い込みをやめないかぎり、解決はあり得ません。

まず、美術の学費に向き合ってもらいました。Cさんは今後、美術の教師になるつもりも、絵画塾を開く予定もなく、ただ単に趣味として美術の勉強を続けたいと言います。家計の状況を考えると、本当にそれでいいのか、時間をかけて考えてもらいました。ずいぶん悩んだようですが、「これからは絵画塾に通うのではなく、外に出て絵を描くことを楽しむライフスタイルに変える。知識は今まで学んだことを復習することで磨く」という考えに至りました。自分のわがままが家計を圧迫していることにようやく気づいたのです。その後、絵画塾に通うことがほぼなくなり、交通費も減りました。

食費は週9000円に設定

家計表をみると、十分に節約できている費目も多かったのですが、まだ減らせる可能性のある費目として、やはり食費が目に付きました。有機野菜など高価な食材にこだわればこだわるほど費用は膨らむので、食費だけ1週間の予算を9000円に設定し、「9000円以内であれば買うものは自由」というルールでやりくりしてもらいました。最初はかなり大変そうでしたが、次第に慣れました。スマートフォンは夫婦で別のキャリアと契約しており、かつ大手にこだわっています。そのためキャリアだけはそろえてもらい、あとは割安な料金プランに見直すことで利用料がかなり減りました。

こうして節約する費目を絞って家計を改善した結果、月に8万4000円ほどを削減でき、毎月の収支では、当初希望していた8万円の黒字を生むことができるようになりました。このお金でやはり投資がしたいのかと聞くと、「貯蓄を増やしていきたい」とCさん。現在の60万円という貯蓄額では心もとないので、100万円を超えたら投資についても勉強し、投資信託などへの投資と貯蓄を並行させながらお金をためる計画にしました。

家計相談をしていると、理想と不安ばかりが先に立ち、自分が今どうすべきか、何を切り捨てるべきかを冷静に判断できなくなる人を多く見ます。「この費目は譲れない」「あの支出はあきらめたくない」では、お金がたまるはずがありません。正しいアドバイスを受け、自分で客観的に切り捨てられる部分を見つけなくてはいけないのです。

(「もうかる家計のつくり方」は隔週水曜更新です)

横山光昭
マイエフピー代表取締役、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「はじめての人のための3000円投資生活」(アスコム)は47万部を超え、著書累計は218万部。
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