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なやみのとびら、著名人が解決!

実はいつも、人を妬んでいます 女優、ミムラ

NIKKEIプラス1

2017/8/10

女優、エッセイスト。埼玉県生まれ。2003年テレビドラマ「ビギナー」で主演デビュー。9月8日(金)スタートのドラマ「この声をきみに」(NHK総合・全8回)に出演。

 私は見た目は明るいけど、内面ではいつも人をうらやましがったり憎んだりする悪人です。昇進した人に「おめでとう」と言っても、心中では「ヘルプしてあげたからだろ。いい気になるなよ」と思っています。ストレスがたまるし、孤独になりがち。妬みの対処法を教えてください。(茨城県、50代、女性)

 このお悩みに共感する方は多いと思います。そして私は、相談者さんは悪い人じゃないんだなぁと感じます。自覚があり新聞へ相談を寄せるという段で「いい人のふりした本当の悪人」とは一線を画していると思うのです。

 ストレスや孤独を感じながら自分で「私ってダメだな」と思っている。理性ブレーキをしっかりかけながらの自己嫌悪は、成長の伸びしろであると、前向きに捉えていいと思います。

 嫉妬の対処法ですが、「昇進は自分のサポートのおかげ」という言葉から、不当に高い評価を受けている人に対して思ってしまう場面を想像しました。

 お恥ずかしながら私も、他の役者さんの活躍を喜べる時と、そうでもない時があります。やはり努力家の人格者が活躍したらうれしく、そうではない実態を知っている方がご活躍だと不思議に思ってしまうからです。好き嫌いとは違うのですが、自分の基準に引っかかると「あれ?」と思ってしまうのは止められないもの。多少のマイナス感情は人間らしさの一部と、自分を許してやってください。

 自覚があれば右往左往してもよいのです。「把握している重傷」より「気づいていない軽傷」の方が、後々問題が大きくなると思いませんか。人を妬みひがむ“傷”があると知っていれば、おのずと自制心も働きます。しかし軽傷であっても知らないまま(または意図して放置のまま)悪化させてしまえば、最終的に取り返しのつかない性格の悪い人になることもあるのです。具体的には、大事な人からの別離宣言など。

 この辺は相談者さん安泰でしょう。ストレスを感じても明るく振る舞えるのですから、会社にもよい人材と感じます。

 私は悪事に巻き込まれ警察や弁護士事務所に駆け込んだ経験がありますが、本当に悪いのは「私っていい人」と思い上がっている人たちでした。自分が正義だと思っているので、納得しなければ法も犯す。こういった手合いに妬みひがみを嗅ぎ付けられると厄介です。

 相談者さんが悪い人でない分、私の辛い経験を思いだしました。孤独は弱点にもなり、あなたを守る壁にもなります。ご自分を否定しないでください。

 あなたの悩みをサイトにお寄せください。サイト「なやみのとびら」(https://www2.entryform.jp/tobira/)から投稿できます。

[NIKKEIプラス1 2017年8月5日付]

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