働き方・学び方

ビール7人夏物語

歩いてひらめく サントリー小島氏の止まらぬ歩数計 サントリー酒類社長の小島孝氏

2017/8/8

サントリー酒類社長の小島孝氏

 サントリー酒類社長の小島孝(61)。この夏、席が温まる暇はない。8月の予定はびっしりで7割は出張。本社のある東京・お台場に終日とどまるのはたった1日だ。主力の「ザ・プレミアム・モルツ」をリニューアル、8月は缶ビールの生産を1割増やす計画で、何が何でも売らなくてはならないのが小島の立場。「『できません』はいいません」。部下への口癖を自分自身に今、必死に言い聞かせている。

■歩数計が送られてきた

 小島の出張準備は普通の人より少し大変だ。通常のキャリーバックとだいたいもう一つ、別に大きなバッグをセットにして持ち運ぶ。書類のほか衣類や日用品セットなどなど。そしてもう一つ、忘れてはならないのがウオーキングセットだ。

 学生時代から「ビールならジョッキで何杯でも飲めた」という小島。得意先や仲間内との宴席はほぼ毎日だ。もちろん夜の飲み会は重要な仕事だから断ることはできないし、酒は大好きだから断りたくもない。

 ただ、悩ましいのは飲んだ後。40歳を超えても酒量は落ちず、ほぼ昔のまま。体重は増え、とうとうある日、健康保険組合から歩数計が送られてきてしまった。「このままの生活習慣を続けていれば健康に影響が生じる」。そして「毎日歩いた数をパソコンに入力、報告するように」。

 仕方ないなあ――。2009年11月、いやいやウオーキングをはじめた。サントリービア&スピリッツ(現サントリー酒類)の東北支社長に就任したころからだ。

■歩くのは自分のノルマ

 ところがある日のこと。ふとこう思った。「こんな面倒くさいことはない。だからこれを自分へのノルマとしよう」。組織のトップである小島は日々、社員に厳しい目標を課し、それを管理する。「ならば自分にも何か1つくらい課さなければ不公平だ」

 出張でホテルを朝6時に出る日なら4時に起きて歩く。雪が積もっていても雪をかき分け歩いた。正月もクリスマスも例外はなしだ。

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