テレワーク いいところは?

からすけ どんな会社が熱心なのかな。

イチ子 小さな会社ではまだあまり進んでいなくて、大きな会社が中心ね。損害保険ジャパン日本興亜(あ)では、社員2万7000人のうち、16年度に約2000人が実施したそうよ。はじめは主に育児や介(かい)護をしている人が使っていたのだけど、今は回数や仕事内容などの制限を無くしたの。14年から在宅勤務を取り入れている土木コンサルティングの建設技術研究所では、社員1500人のうち約900人にテレワークがしやすくなるような情報通信機器などを与えたのよ。大阪の職場で働いていた30代の男性は、地元の岡山事務所をサテライトオフィスにして、親の介護をしながら大阪にいた時と変わらない専門的な仕事をしているんだって。

からすけ 取引先の名簿とか会社の大事な情報が漏(も)れて騒ぎになることがあるけど、大丈夫なの。

イチ子 それはみんな気にしているところね。外で使うパソコンなどを工夫して、情報が流出しないようにしているわ。パソコン本体にはデータを残さず、誰かが情報を盗もうとしてもできない仕組みにしているそうよ。

からすけ 学校で始まったら僕も手を挙げようかな。

■技術が夢を形にする

東京都立桜修館中等教育学校の荒川美奈子先生の話 1970年に日本で初めての万国博覧会となる大阪万博が開かれました。テーマは「人類の進歩と調和」。日本企業による近未来技術の展示に国中が沸(わ)きました。小さな画面に映る相手と直接話せるテレビ電話、楽器を演奏するロボットなど。手塚治虫さんプロデュースのロボット館では、漫(まん)画の世界でしか無かった物が現実に見られると、ワクワクしたものです。
今やテレワークを円滑(かつ)に進めるためのロボットも登場。遠く離れた場所を通信でつないで会議をすることも珍(めずら)しくありませんが、何となく存在感は薄(うす)いものです。テレワーク用ロボットに、参加者の画像を映したモバイル端(たん)末を設置すると、発言にあわせて身ぶり手ぶりで力説しているように動きます。離れていても一体感が味わえます。技術は時を超えて人の心を動かす。夢を形にする日本の科学技術に期待しています。

[日本経済新聞夕刊2017年7月29日付]

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