――はじめから高額で売れば音楽業界の利益も増えるのではないでしょうか。

「音楽は中学高校のころにファンになってくれる人が多い。例えばすべてのチケットを10万円で売るとなると、中高生には手が届かない。そもそもアーティストには、転売業者と同じ値段で売りたくない、できるだけ平等に楽しんでほしい、という気持ちがある。アーティストは人気商売なので、結局カネかよ、と言われることは避けたい」

――今後はどんな対策をとりますか。

「席によって値段を変えることはありえる。ファンの中には後ろの席でもいいから安値でコンサートを見たいという人もいる。今はどの席も同じ値段で、そういうファンには選択肢がない。その選択肢を与えるサービスを転売が補っている。業界内で話し合って決めることだが、私たちも取り入れなくてはならないサービスだということになるだろう。ただし、そういう売り方が当たり前の海外でも規制する法律ができた。売り方だけでなく、法律や本人確認も組み合わせて対応していきたい」

(久保田昌幸)

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