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日本サッカー、今のままでは衰退 中国との近さ生かせ スイスTEAM社のアジア地区責任者、岡部恭英氏に聞く

スポーツイノベイターズOnline

2017/9/22

――具体的に日本は、その地の利をどう生かせばいいのでしょうか。

「中国のプロサッカーリーグ『スーパーリーグ』の現状は、Jリーグの黎明(れいめい)期に似ています。海外からスター選手が数多く参戦し、観客も以前より増えています。ですが中国のサッカーが強くなるには時間がかかるでしょう。日本の部活(部活動)のような草の根の強化システムがないからです。急ごしらえでユースチームをつくっても、一人っ子政策の影響もあって子供の数は限られているし、最近では子どもにサッカーをさせるよりも、受験戦争に備えて勉強を重視する親が増えています」

「日本のユース世代の育成システムは、アジアで一定の評価を受けているので、(中国から)お金をもらってこのシステムを提供することができるでしょう。キャンプを日本に誘致するスポーツツーリズムの可能性もあると思います。もっとも中国人はタフなネゴシエイター(交渉人)です。そういう意味でも、日本にタフな交渉ができるグローバル人材が必要なのです」

――日本には中国などアジアで「売れる」スポーツコンテンツも多いのではないでしょうか。

「部活がない中国にとって、日本には羨むようなスポーツコンテンツが数多くあります。例えば、全国高校サッカー選手権を国立競技場で開催するとか、東京六大学野球や全国大学ラグビーフットボール選手権に数万人の観客が集まるなど……。それらは、もっと大きなビジネスにできる可能性があります。ただ日本のスポーツ界には『体育会のカルチャー』があって、お金の話を嫌がる人が結構多く存在します」

「欧州のサッカービジネスに長年携わっている私の立場からは、『カネがなかったらスポーツビジネスはできない』と断言できます。日本のスポーツがグローバルで戦うのであれば、世界と同じことをしなくてはなりません。お金ですべては解決できませんが、どんどんお金が回るようなシステムを日本につくっていかなくてはならないと思います」

岡部恭英
1972年9月生まれ。96年に慶応大商学部を卒業後、商社に入り東南アジアと米国で勤務。2006年に英ケンブリッジ大学でMBAを取得し、同年にスイスTEAMマーケティングに入社。現在は同社でテレビ放映権やスポンサーシップ営業のアジア・パシフィック、中東・北アフリカ地区の統括責任者を務める。スイス在住。「慶應義塾体育会ソッカー部」出身。夢は日本でワールドカップを再開催し、そこで日本代表が優勝すること。

(聞き手は日経BP社デジタル編集部の内田泰)

[スポーツイノベイターズOnline 2017年7月24日付を再構成]

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