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日本サッカー、今のままでは衰退 中国との近さ生かせ スイスTEAM社のアジア地区責任者、岡部恭英氏に聞く

スポーツイノベイターズOnline

2017/9/22

「私が大学のサッカー部に所属していたときに、Jリーグのチームと練習試合をすることがありました。そこには現役のブラジル代表やアルゼンチン代表など世界的な選手がいました。しかし、今のJリーグにそのようなスーパースターといえる選手はほとんどいません。『資金力』がないからです。もう一度、好循環に戻すためには日本が世界に出て行かなくてはいけません」

――岡部さんのように欧州のサッカービジネスの最前線で働いている日本人はどの程度いるのでしょうか。

「私を含めて数えるほどしかいません。国際サッカー連盟(FIFA)に1人、欧州サッカー連盟(UEFA)に1人、それとTEAMに在籍する私の3人です。一方、中国人はかなり強いパワーを持っています。中国人はイタリア・セリエAのビッグクラブ、ACミランやインテルミラノなどを含め欧州の10チーム以上のオーナーにもなっています」

――日本のスポーツ界は選手に限らず、もっと世界に出て行くべきだということですね。

「例えば、日本人が欧米のスポーツ業界に100人いたら状況は変わります。英語ではインテリジェンスといいますが、そうした人材の厚みによって、得られる情報の質や量は大きく変わります。例えば、日本で再びサッカーW杯を開催しようとしたときのロビー活動を、より効果的にできるようになります」

「優秀でも世界に飛び出せない日本人のために、戦略的に道をつくるシステムがあってもいいと思います。例えば日本オリンピック委員会(JOC)から国際競技連盟(IF)に人材を派遣したり、日本サッカー協会(JFA)から欧米や南米のサッカー連盟に人材を派遣したりするようなシステムです。人がうまく働けるシステムをいったんつくってしまえば、後はうまく回ります。実はJFAは、川淵三郎氏がトップのときに同様な取り組みをしていました。現在、韓国はアジア・サッカー連盟(AFC)に人材を派遣しています」

――欧州のサッカー界の強みは何でしょうか。

「IT(情報技術)の導入という点では、欧州サッカーが最先端とはいえません。ITでは常に米国がリードし、それを欧州が追従しています。欧州サッカーの強みは人材の流動性にあります。新しい人が頻繁に入ってきて、また辞めていくという変化に慣れると、新しい考え方に対する『オープン性』が高まります。例えば、私が在籍するTEAMマーケティングには弁護士や会計士、イベント、ブランディング、放映権の専門家など、多様なバックグラウンドを持った人たちが外部から入ってきます」

■強みは選手育成の仕組み

――日本の強みは何でしょうか。

「中国に近いという強みがあります。中国は早晩、世界一の経済大国になります。上海や北京へは、羽田から飛行機でわずか3時間ほどで行けます。この地の利を生かさない手はありません。最近、私は仕事を目的に日本に来ることはほとんどなく、『中国に行くからついでに日本に寄る』といった状況です。英語で日本のことを『FarEast(極東)』といいますが、もし中国が世界経済の中心になったら、そうはいえなくなります」

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