オリパラ

オリパラSelect

日本サッカー、今のままでは衰退 中国との近さ生かせ スイスTEAM社のアジア地区責任者、岡部恭英氏に聞く

スポーツイノベイターズOnline

2017/9/22

日本のサッカー界は、日本代表チームが6大会連続となるワールドカップ(W杯)出場を決めて沸いている。だが長期的にみれば、国内の人口減少とそれにともなう経済の停滞という重い課題に直面している。果たして、日本のサッカー界はこれからも発展していけるのか。世界で最もレベルの高い大会の1つ「欧州チャンピオンズリーグ」の放映権やスポンサーシップの販売を手がけるスイスTEAMマーケティング社の岡部恭英氏(45)に聞いた。同氏はTEAM社でアジア、オセアニア、中東、北アフリカ地区の販売責任者を務めている。

スイスTEAMマーケティングでアジアセールス統括責任者を務める岡部恭英氏

――欧州のサッカー界から日本はどう見えているのでしょうか。市場としての魅力はどうなのでしょう。

「たぶん、『日本がどう』ということよりも、中国の経済が急速に伸びてお金が回っているので、欧州のサッカー関係者の目がそこに向いているのが現実だと思います。日本の市場に魅力がないわけではありません。ただ長期的に見て縮小していく日本と、人口が約10倍もあって経済がまだ伸びる中国のどっちへ行くかといったら、中国を選ぶということです」

――厳しい見方ですね。

「日本は今後、経済的にチャレンジングなフェーズに入っていきます。『人口減』と『超少子高齢化』のダブルパンチで、市場が縮小するからです。もちろん日本はいまだに世界3位の経済大国で、市場は縮小しながらも国民の生活レベル自体はさほど悪くなっていません。日本経済が急に沈むことはなく、緩やかに衰退していくでしょう。日本のサッカーも現状のままでは同様の道をたどると思います」

「スペインの名門サッカークラブ、FCバルセロナを経営改革した当時の副会長で、現在はマンチェスター・シティFCなどを擁する英シティ・フットボール・グループCEO(最高経営責任者)のフェラン・ソリアーノ氏はこう言っています。『サッカークラブは、勝つ→人気が出る→お金がもうかる→投資ができる→さらに勝つ、という好循環によってパイが大きくなる』。経済が縮小するとこのパイが小さくなってしまうのです」

■グローバル化するしかない

――日本のサッカー界はどうしたらいいのでしょうか。

「できることは2つしかありません。1つは縮小した市場から海外へ出て行くこと、つまり『グローバル化』です。もう1つは、縮小した市場で『イノベーション』を起こすことです。ですが現状では、どちらも取り組みが不十分だと思います」

――なぜグローバル化がそこまで重要なのですか。

「サッカーをはじめ多くのスポーツがすでにグローバル化しており、自国だけでは完結できないからです。欧州のサッカーリーグで同じ国の選手100人以上がレギュラーで試合に出られるような状況だったら、その国の代表チームは強いです。ブラジルやアルゼンチンがそうです。チーム強化の根幹となる優れた監督やコーチもグローバルベースで活躍しています。つまり、グローバル規模で人材を獲得しなくてはいけないのに、残念ながら現在のJリーグは世界の『地図』には載っていません」

オリパラ 新着記事

ALL CHANNEL