2017/8/2

記事

レバレッジが大きいほどリターンも高くなるので、「4.3倍ブル」は、「(1.43×1.43)-1×100=+105%」になる(図表3参照)。つまり、2日間のリターンはおおよそ2倍と、日経平均の上昇率の5倍近くになる計算だ。指数上昇の期間が長期化すると、累積効果はさらに拡大する。

ただし、日経平均が逆に下落すれば大きな損失が発生するので注意が必要だ。日経平均が1日目、2日目ともに10%下落した場合、指数の下落率は「(0.9×0.9)-1×100=▲19%」だが、「4.3倍ブル」は「(0.57×0.57)-1×100=▲68%」となる。2日間のリターンは7割近くのマイナスで、日経平均の下落率の3倍以上となる。

指数の動きが横ばいでも損のケース

意外な盲点もある。指数の動きが横ばいでも損をするケースもあるからだ。例えば、初めの段階で下落し、その後に同じ率で上昇した場合、初めの下落により基準価格の下落が拡大することを受けて、その後の上昇で元の基準価額まで戻らないこともある。

例えば、図表4のように指数が1日目に10%下落し、2日目に10%上昇した場合、2日間を通した指数の上昇率は「(0.9×1.1)-1×100=▲1%」にとどまるが、「4.3倍ブル」の場合、「(0.57×1.43)-1×100=▲18%」になる。レバレッジが効いているので初めの段階で下落すると、キャッチアップするのが難しくなるわけだ。

「4.3倍ブル」をリスク指標の標準偏差でみると約57%とかなり大きい。標準偏差57%とは、平均リターンを0%とした場合、年間リターンが、約68%の確率で57%の上昇から57%の下落の範囲に収まることを示す。つまり、下落相場の際は、基準価格が1年で半分以下になることも想定する必要がある。

株式売買の活発さを示す指標の一つに売買代金回転率がある。売買代金が時価総額の何倍かを測るもので、一般にこの値が高いほど売買が活発だ。この売買代金回転率の考え方を投信に適用し、ブル型ファンドの売買動向を分析した。

短期売買が主体のセミプロ向け

具体的には売買代金に当たるものとして、1年間の設定額と解約額を合計。時価総額に相当するものとして純資産残高の期首・期末の平均を求め、設定額と解約額の合計で割った値を「売買回転率」とした。この値が1倍を超えると1年間ですべての資産が入れ替わったことになる。

まず、一般のファンド(ETFを除く全追加型株式投信)の売買回転率を見ると、1.10倍と比較的小さい。一方、ブル型ファンド(13本の平均)は7.08倍で、なかでも「4.3倍ブル」は10.14倍とかなり大きかった。1年間で10回以上資産が入れ替わった計算になる。ブル型ファンドの投資家は、相場動向を見てかなり短期間で売買していることが見てとれる。

レバレッジ型の投信は値動きの大きさもさることながら、短期で頻繁に売買されており、セミプロ向けのファンドといえる。投資初心者がうかつに手を出すと、思わぬ損失が出て痛手を被りかねないので注意すべきだろう。